<中小企業に活気があってこそ国が救われる>
「みんなの党」福岡県本部長にエヌビーエス(株)(本社福岡市博多区奈良屋)の代表取締役社長石橋一海氏が就任した。同社はエンジニアリング事業部、情報セキュリティ事業部などを併営しており高技能エンジニアの派遣を行い業績は堅調だ。石橋氏は常に「日本を支えているのは中小企業だ。中小企業に元気がなくなれば国はお終いだ」と持論を展開し学習活動、実践活動を行ってきた。
そのひとつが、(株)PHP総合研究所代表取締役江口克彦氏が代表世話人をしている地域主権型道州制国民協議会に関わってきたことである。石橋氏は、この協議会九州支部をエヌビーエスのビルの一角に置いている。要は「全国に道州制を施行して各地区に権限を移行し、各地方が自立できるインフラ整備をしないと21世紀の日本は衰退してしまう」という危機認識で運動を展開しているのだ。しかし、運動の道のりは平坦でない。石橋氏は「国家運営コストを賄いできなくなるのは時間の問題だ」と先を読む。
予測通り、10年以内に九州道制が敷かれるのが間違いない。となると1868年の明治維新以来となる日本国家の大改造、歴史的な転換になる。冷静に考えてみればわかる。世間知らずの国家官僚が東京で鉛筆を嘗め嘗め予算を地方に一律、分配・ばら撒いていては日本に精気を蘇らすことは不可能だ。地域の自主性に任せるしかない。その基本単位が道州制となる。石橋氏は「地域の自立性を領導するのは中小企業の経営者だ」と喝破する。
<民主党では中小企業活性化できない>
民主党政権が誕生した際には石橋氏は一部で違和感(官僚を統制して地方自治自立・中小企業活性化の政策は打ちだせないという不信感)を抱きつつも「自民党よりはまし」との期待感を抱いた。しかし、短期間でその幻想が打ち破られた。そして、民主党政権へ「官僚統制は無理。労働組合頼り。経済政策が無策。ばら撒き予算で財政破綻」と烙印を下した。「他人に任せていたら中小企業は潰される。自己防衛のためには中小企業の経営者自らが行動するしかない」と決断したのである。石橋氏が所属する福岡県中小企業同友会の経営者の仲間たちも政治に対する意識のチェンジを起こしている。「発言・行動すべし」という声が増えてきたのだ。
「みんなの党」を立ち上げることを相談した際に大半の経営者たちが賛同した。「激変時代には我々、中小企業の経営者たちがおおいに声を高らかにして意見を述べ行動しよう」とエールを送られたそうだ。石橋氏は笑いながら「20歳若ければ、私が国会議員に立候補するつもりだが」と語る。「みんなの党」の組織が全国各地に結成されつつあるが、県本部単位で同氏のような中小企業の現役経営者が本部長になるケースはまずない。
最後に石橋社長が強調したいことを要約すると下記の通りになる。
(1)まず官僚統制は徹底的に打破することを実行する。(2)海外に活路を見いだすことも大切だが、中小企業の大半は国内でしか勝負できない。だから中小企業の活性化させる法令の施行・充実をはかる。(3)道州制の速やかな導入。(4)国民・市民も一人一人が政治献金(小単位1万円)を納めることを習慣化づける。そして政治家に口も出す政治風土造りも必要だ。
中小企業の皆さん!経営者・石橋一海の勇気ある行動に拍手喝采するばかりでなく、同氏の後を追っかける時代がやってきたのである。
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