Q1.宗像市の現状について(つづき)
<教育と文化振興、観光事業>
安心して子どもを産み、育てる環境作りは母親にとって最大の念願です。宗像市においても優先的に取り組まなければならない行政課題と言えます。そういう背景のなかで、いま学童保育のことが大きな問題になっています。宗像市はこれに指定管理者制度を適用しました。選定委員会は公募により2010年度から4年間、福岡市の民間派遣会社を選定し、市議会も10対9の僅差で賛成可決しました。これに対して学童保育保護者連合会は市長への要望書をもって「宗像方式」への復帰を希望するなど、決定経過をたどれば行政指導のまずさを指摘する向きもあります。「宗像方式」は30年の実績を持つ地域活動であり、誇りある市民文化です。私は、2010年度の執行を一時保留した上で、改めて指定管理者制度の適用除外手続きを行ない、「宗像方式」へ復帰します。これにより学童保育保護者連合会との業務契約を締結するとともに、今後の円滑な運営について協議し、関係改善および健全化を推進します。
観光事業については、観光による産業活性化と世界遺産登録運動の二面性をもって、周辺地域を観光拠点として開発します。田島区、深田区の耕作地を含む約10haの用地提供を受けて、主として地権者の開発による植物園の造成、神宝館増設による古代祭祀の展示、遊歩道の整備などを行ないます。これと同時に、先に述べましたが、宗像大社から市街地へのアクセス道路を整備することも行ないます。
Q2.時代が求める市長の役割
市長の責任は、適正で必要最小限の負担をお願いしつつ、市民の生命財産を守り、より快適な生活環境を形成することで、ひとりひとりの尊厳と人権を保証することと考えます。これらを達成するため、「市民と市長はパートナー」を合言葉に、市民を主人公にした行政を行ないます。すなわち市長には、変化する市民ニーズに対応する先見性と行政手腕、信頼を得る高邁な人格識見が重要となります。
Q3.市長選をどう戦うか?
現在の市政は旧来の手法が目立ち、市民目線の行政から離れています。コミュニティ、NPO、ボランティア団体の活動を定めた現行条例がその例です。
また40年を経た団地の老衰化など長寿命化に対する展望、若者離れを防ぐ希望のあるまちづくりが示されていません。これらの諸問題を指摘しつつ対案を示すことで、"新旧の選択"を市民の皆さまへ迫っていきます。
私は福祉問題を最大のテーマとして取り組み、「地域の固い絆のなかで、法制度を越えて弱者が擁護される福祉社会」を建設します。これは時代を先取りして将来のニーズに切り込むもので、他市に先駆けて実行する大胆な政策です。併せて、行政組織は市民負担の軽い柔軟対応型へ改編、市議会とは政策を競う緊張関係を、まちづくりは「若者が住む希望の街」「女性が働く元気な街」「地域力で支える福祉の街」を目指します。
(了)
【森田 卓也(もりた たくや)】
1972年宗像市自由ヶ丘生まれ。96年、防衛大学校を卒業し、防衛庁(現防衛省)陸上自衛隊に入隊。防衛大学校教官、中隊長などを歴任する。06年、退官(1等陸尉)し、福岡県議会議員秘書を務める。09年、同秘書を退職し、現在に至る。座右の銘は「義をみてせざるは勇なきなり」。
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