Q1.宗像市の現状について(つづき)
<教育と文化振興、観光事業>
教育においては、小中一貫教育を4・3・2制の9年制でさらに進めていきます。小学校、中学校の教員が行き交い授業を行ないます。小学から中学への移行をスムーズにし、結果として学力も上がります。また、宗像市の特長として、市民の文化水準が非常に高いことが言えます。市民のなかで、生涯学習が盛んに行なわれています。そうした土壌があってこそ、ボランティア活動が盛んに行なわれています。市民活動を支援するために「文化芸術振興条例」を制定しました。今後は行動計画を立てなければなりません。
一方で、宗像は歴史文化が豊富でありながら、重要文化財を一堂に展示するのに十分な施設がありません。そのために郷土文化歴史資料館のリニューアルや、市民協働で宗像ユリックス(総合市民センター)をギャラリーに活用するなどの振興事業に取り組んでいきたいと思います。また、世界遺産暫定リストに登録された『宗像・沖ノ島と関連遺産群』が世界遺産になるよう、長期的施策を実施していかなければなりません。同時に、石渡古墳などの歴史遺産の整備も進めていきます。
宗像の豊富な自然、特に島や海は県内屈指の大切な地域資源です。こうした資源も活用します。2011年の4月には、大島の海洋体験施設がオープンしますが、これは分かりやすく言えば巨大な釣り堀です。全国的にも有名になると思います。
Q2.時代が求める市長の役割
今求められているのは、厳しい財政状況のなかでで、いかに行財政改革を行なうか。また、宗像が合併後であることを踏まえ、計画的に市民のニーズに応え、また調整役となりながら、リーダーシップを発揮することが市長の役割だと思います。総合計画を立て、健全な財政でかつ市民協働で"安全・安心なまち"、「住んでいて良かった」と市民に思われる宗像市にしたいと思います。
また、政令指定都市の中間(福岡市、北九州市)に位置することを考えれば、都市と同じことをやるのではなく、歴史、文化、自然といった宗像の財産を活かしたまちづくりをしなければなりません。
Q3.市長選をどう戦うか?
合併後のまちづくりにおける実績を示し「やり残した分を次の4年で完成させる」と主張していきます。総合計画は10年の期間で立てています。これは私が責任を持って完結させなければなりません。また、市の課題を具体的にマニフェストで示します。
2期目は、さらに住みよい宗像を目指して、"満点政策"を推進します。これには、市民の"元気力"で安心のまちづくりによる「住みやすさ満点!!」、市民が誇りを感じられる快適都市づくり「笑顔満点!!」、改革とチャレンジでまちの健全運営をする「活力満点!!」という3つの政策方針が含まれます。以上のことに対し、市民の皆さまのご理解が得られるように主張していきたいと思います。
(了)
【谷井 博美(たにい ひろみ)】
1940年愛知県名古屋市生まれ。幼少より熊本で育つ。63年、熊本大学法文学部を卒業し、福岡県庁に入庁後、福岡県鞍手福祉事務所に勤める。88年、県立小倉高等技術専門校長に就任。89年、県環境保全施設計画室長、92年、県農政部副理事兼農政課長、94年、県企画振興部空港対策長、96年、企画振興部長と、県の要職を歴任。99年に福岡県庁を退職し、空港周辺整備機構福岡空港事業本部理事に就任。01年、宗像市助役、03年からは新宗像市助役を務める。06年、宗像市長に就任。趣味は山登り、読書、家庭菜園。
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