今秋の福岡市長選挙を巡る動きに緊張感が漂いはじめた。
現職の吉田宏市長のほか、元市教育長の植木とみ子氏が出馬に向けた動きを顕在化させる中、前福岡市議会議長の川口浩氏を推す声も上がっている。
複数の市議会関係者によると、自民党市議団側はこれまで、水面下で公明、みらい福岡の両会派に市長選での連携を打診。民主推薦で当選した吉田市長に対抗する候補者を模索してきた。しかし、自民党内で植木氏を推す長老組とその他の意見が対立。みらい福岡も長老組に反発を強めており、収拾が難しい状況となっている。
川口前議長は植木氏擁立に反対の立場であり、場合によっては離党あるいは会派離脱もありうるという。自らの出馬を視野に入れているということだ。自民党市議団の中からも「同じ会派に所属する人間が出るというのなら、第一の候補者として検討すべき。もちろん応援する」との声が聞こえる。みらい福岡の一部も川口氏支持と見られる。こうした保守系会派の足並みの乱れから、公明も態度を鮮明にすることができない状態だ。
反吉田陣営の調整がつかず候補者が乱立すれば、吉田市長の思う壺。再選を許し、またしても市政の空白を長引かせてしまう。市民にとっては、最も不幸なことだ。
川口前議長がどう動くか。本人は出馬について多くを語ろうとしないが、並々ならぬ決意であることは間違いなさそうだ。
*記事へのご意見はこちら