自民党の舛添要一・前厚生労働相は21日、同党を離党し、新党を結成することを明らかにした。早ければきょう22日に離党届を提出し、23日にも新たな政党を立ち上げるという。
新党結成には、前参院国対委員長の矢野哲郎参院議員や、改革クラブの参院議員である荒井広幸、山内俊夫、渡辺秀央の3氏が参画する見通しだ。
今月に入って、平沼赳夫元経済産業相や与謝野馨元財務相らが新党「たちあがれ日本」。山田宏杉並区長など現職首長や首長経験者が「日本創新党」を結成している。「舛添新党」が実現すれば、1か月の間に3つの党が誕生することになり、まさに新党ラッシュである。
背景には、期待外れとなった民主党への失望感や、自民党の低迷がある。
それぞれの集団が新党立ち上げの理由や基本政策を打ち上げてはいるが、有権者を引き付けるような魅力には乏しい。理念なき新党ラッシュとしか言いようのない状況だ。
昨年夏の総選挙直前に結成された、渡辺喜美元金融・行革担当相が率いる「みんなの党」の支持率は急上昇中で、民主、自民にあきたらない有権者の受け皿になっている。同党が掲げる「脱官僚」「地域主権」といった主張が極めてわかりやすく、結党の理念が伝わってくるからだろう。
残念ながら、雨後の竹の子のように登場する新党には新鮮味がない。舛添新党にしても参加者の顔ぶれは参院議員ばかりで、現在のところそれ以上の広がりはない。自民党内で孤立感を深めていた舛添氏が、追い出される形で「新党」と言い出した印象は免れないだろう。
理念なき政治は有権者の政治離れを助長するだけだ。
※記事へのご意見はこちら