福岡県警は26日、福岡市の元係長級職員・新川信一容疑者と、「ロボスクエア運営委員会」(会長 高田洋征副市長)と多くの業務契約を結んでいた「メカトラックス」(福岡市早良区百道浜TNC放送会館2階・ロボスクエア内)取締役・古賀俊亘容疑者を詐欺の疑いで逮捕した。
福岡市が運営資金の大半を負担している体験型ロボット施設「ロボスクエア」(福岡市早良区百道浜TNC放送会館2階)を舞台にした詐欺事件は、福岡市による杜撰な運営が原因だ。
新川容疑者と古賀容疑者には、ロボスクエア側が発注する業務を「Kogatech」として個人的に受注していた古賀容疑者と新川容疑者が共謀し、ロボスクエア運営委員会から現金100万円以上を騙し取った疑いがもたれている。
新川容疑者は、03年から07年度にかけてロボスクエア担当を務め、博多区の博多リバレイン内にあった「ロボスクエア」の運営を1人で行っていた。07年、ロボスクエアが現在の場所に移転する際、移転に関する工事費などについて、契約書を作成せずに電通九州などに仕事を発注していたことが発覚。停職3か月の処分を受け、依願退職していた。
一方の古賀容疑者は、06年に「メカトラックス」の取締役になるまで「「Kogatech」(コガテック)の代表という形で個人的にロボスクエアの仕事を受注。データマックスが福岡市への情報公開請求で入手した契約書によれば、05年4月から06年4月までの1年間に10件で10,221,515円の仕事をロボスクエア側からもらっていた。
今回、直接の逮捕容疑となったのは、05年8月に行われた『ヒューマノイドカップロボットバトル大会』の運営業務委託(契約書参照)に関するもの。1,258,950円の契約金額だが、新川、古賀の両容疑者は、この仕事を別の会社に安価で丸投げし、差額を懐に入れたと見られる。ただし、法律上、契約金額が詐取した金額となる。
データマックスの取材により、同委員会には、移転の際に契約書がなかったことが発覚するまで帳簿さえなかったことが判明している。実務の一切を取り仕切っていた市側の杜撰な管理が事件を生んだと言える。
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