4.場内食事
リハーサル初日に、食品が売り切れたという状況を受け、各店舗では在庫を増やし備える。なかでも、KFC(ケンタッキー・フライド・チキン)などでは、会場の販売データをパソコンに入力、一刻も早く供給されるように努めている。
「レストランの待ち時間が長い」「食品の価格が高い」などの不満の声に対して、急遽市内のパン屋さんや軽食堂などを導入するほか、88カ所の食料品販売スタンドを増設。しかも、会場外とほぼ同じ値段で提供する。また、状況によっては、リヤカーで走り回りながら販売する企画もある。
5.中国館見学
人気が高いため、予約制度が導入される。リハーサル初日、自動発券機が故障したことから、機械の稼動限界にあることを踏まえ、予約券を人工分配と機械発行の並行実施に変更した。来場者からは高く評価されており、今後も継続していく予定。
6.迷子
ボランティアに尋ねたり、地図を調べたりするほかに、会場に設置されたセルフ式インフォメーション機が利用できる。これは、知人や友達の携帯番号を入力すると、自動的に相手の携帯画面に自分の居場所がディスプレイされる。
7.その他
休憩場所の椅子が増える。
大量のゴミに備えて、すでに配置済みのゴミ箱のそばに、ピザの容器も入る大口径のゴミ箱を新設する。
改善による効果は、「ドイツ国家館」の公開時間に如実に表われています。同館では、リハーサル初日(来場者計20万人)、行列が想像以上に長くなり、現場がたいへん混乱したため、門限を大幅に早めて閉館しました。その後、運営側の改善効果により、24日、来場者が30万人を超えたにもかかわらず、逆に公開時間を大幅に延長することができました。また、25日、来場者数が40万人になっても、終日スムーズに公開することができています。
以上のように、いろんな面で日々改善を積み重ねてきた結果、期間中の万博会場は、全体的に安定するようになり、重大な損傷事故や食品事故も無く、リハーサルが終了しました。これから訪れる人が、先日の報道で見られた混乱に遭遇することはないでしょう。
【劉 剛(りゅう ごう)氏 略歴】
1973年12月生まれ。中国上海出身。上海の大学を経て、96年に地元の人材派遣会社に入社。10年3月より福岡に常駐。趣味は読書。
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