4月30日に公表された、「福岡空港調査委員会」事務局、福岡県職員・星野事務主査(43)による約1,273万円にのぼる公金横領。その手口は、今までに発覚しなかったことが全くもって不自然としか思えない内容である。
福岡県によると、今回の横領は、業者と結託した架空請求や領収書の偽造などではないという。「委員会の口座から自分の口座にお金を移した」という極めて稚拙な手口である。しかも横領は、2007年5月から10年3月まで、3回の会計年度をまたいで数十回に渡り行なわれていた。
そして、人事異動に伴う事務引継の際に、帳簿の金額と領収書などの証拠書類にズレがあったことから発覚に至った。それ以前に、しっかりチェックを行なっていれば容易に見抜けたのではないだろうか。
したがって「監査は行なっていたのか」「決済権を持っている上司は何をしていたのか」などといった疑問や批判が起きるのも当然である。県は「(同委員会における会計処理・監査・決済の)実態については、今後の調査で究明する」とし、詳細についてはまだ明らかにしていない。しかし、同委員会の杜撰な管理体制は容易に想像できてしまう。
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