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福岡県職員・公金横領事件の背景(下)~公金に対する認識不足
社会
2010年5月 7日 08:00

 今回の福岡県職員・星野事務主査(43)による「福岡空港調査委員会」の約1,273万円にのぼる公金横領は、昨年末からの町村会事件で失墜させた信頼を未だ回復しないなか、発生した。
 4月30日、横領の内容を報告する記者会見に臨んだ山野 総務部長は「非常に残念であり、県民のみなさまに申し訳ない。公務員の"公人としての意識"を高めるとともに、事件の原因を究明し、再発防止に努める」と述べた。だが、その一方で星野事務主査が横領した金額を返還した場合「一般論として告訴しない」との考えを示した。

 星野事務主査は、2010年4月から福岡県の農林水産部 農林水産政策課に勤務している。謹慎などの処分はまだ受けておらず、4月30日の同事件の公表後は1日から連休に入った。また、県の事情聴取に対し、横領した公金を「借金の返済や生活費にあてた」などと説明したという。

 横領は立派な犯罪であり、まして盗まれた金の源泉は福岡県民、福岡市民の血税である。たとえ総務部長が、県庁事務方のトップであるとしても、最大の被害者である県民、市民をさしおき、横領した職員を擁護する権利はない。
 今回の公金横領事件の背景には、公務員全体における公金への認識不足がうかがえる。本当に再発を防止する意思があるのならば、身を切るぐらいの厳格な処罰が必要なのではないだろうか。


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