5月1日にタマホーム(株)が、全国で8カ所の展示場をオープンさせた。九州は久留米と佐賀の2カ所で、関東を中心に6カ所を加えたものだが、九州以外は総合展示場内でのオープンだった。
同社は関東や東海、関西地区では総合展示場の出店を行なっているのだが、九州では1カ所も無い。同社によると出店は考えているようだが、展示場側が出店を認めてくれないようだ。展示場を運営する会社によると「規定に沿ったものであれば許可しています。内容については申し上げられませんが、特定の企業を排除するようなことはしていません」とコメントする。しかし、実際の状況をみると特定の企業を外しているのは明らかである。
特に、ローコスト住宅を手掛ける企業に対しての出店はまず認めない。福岡に本社を置くA社は「展示場への出店は考えていましたが、全てダメでした。我々は出店できませんよ」と諦め、単独での展示場を展開する。出店を果たしている地場住宅会社は「ローコスト住宅さんは出店できないでしょうね。大手さんが反対しますよ」と語り、大手の意向が展示場出店へ大きな影響を持っていることをほのめかす。
展示場運営会社は、出店の大半を占める大手ハウスメーカーにそっぽを向かれると、運営上大きな痛手になる。そのため、大手が嫌がる住宅会社は排除するようにしているのだ。
大手にしてみれば、ローコスト住宅と比較されると、価格の大幅な違いにユーザーが困惑するだけでなく、自社商品の価格の説明に大きく時間を取られるからのようだ。
しかし、ユーザー側は「出来れば1カ所でいくつもの住宅を見て廻りたい。でも、出店していない住宅会社が結構あるので、複数の展示場を見て廻っています。何で出店しないでしょうかね」と、総合住宅展示場でありながら、出店していない住宅会社があることに対して疑問を持っているのが実情だ。
大手ハウスメーカーは、出店に伴う費用だけでなく、展示場側から見ると大きな影響力が他にもある。それは広告料だ。というのも、展示場運営会社の大半は新聞社やTV局など、マスコミの系列会社が多い。そうした企業の広告に大手ハウスメーカーは大きなウェートを占めているのは周知のとおり。その結果、大手字ハウスメーカーの意向は無視できないのである。
【石崎】
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