4)リスクへの対処の度合いを見る
最後に、特に「子供向け」「妊産婦向け」など、使用を推奨できないとされる客層への配慮の有無を確認します。食品の例が多くなりますが、子供や妊産婦への摂取を控えるよう指導されている栄養成分(例えば栄養機能食品における亜鉛、銅、マグネシウム、ビタミンAなど)もあります。パッケージや広告に、これらの人たちへの使用を控える注意書きがあるかどうかも、商品の安全性が確保されているかどうかをみるうえで大切なポイントです。
「冷凍庫に入れるなど凍らせないでください(飲料の膨張による容器破損防止)」「棒を口にくわえて遊ばないでください(アイス菓子の棒による事故防止)」という注意表示をみかけることがあると思います。でも冷やしたらおいしそうな飲料のパッケージデザインや、アイス菓子のキャタクターが棒をくわえたりしていたら、やっぱりまずいですよね。「思わず凍らせてしまいたくなる」「棒を口にくわえたくなる」デザインや表現、広告になっていないか、その企業に配慮があるかを観察してみるのもひとつの見分け方です。
また、新商品開発の末に斬新な形状やデザインで発売される商品もよく見かけますが、これまでの常識から、誤った使用方法を連想させることのないように配慮してあるかどうかも重要です。
例えば、醤油を清涼飲料水のようなPETボトルに入れて、オシャレなデザインにして発売するようなものです。朝起きてぼんやりした視界のまま、冷蔵庫の醤油を一気に飲んでしまう恐れもあるでしょう。(実際に、PETボトル入りの「にがり」を一気に飲んでしまったという事故の相談が国民生活センターに寄せられたこともあるようです)こういった不慮の事故を誘発しない配慮があるかどうかも、商品を選ぶ上で確認するポイントです。
以上が、パッケージ表示や広告から商品の良し悪しを見分けるときに実施するポイントです。
<プロフィール>
川合裕之(かわい ひろゆき)
香川大学卒業後、明星食品(株)に就職。営業職のかたわら、エリア向け商品の開発にも携わる。独立後、03年に(株)ラベルバンクを設立。食品表示の視点から安全性・機能性に関するコンサルティングを行なう。商品販売のためのプロモーションも手がける。
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