5月6日に民生法の適用を申請したコマーシャル・アールイー(以下「CRE」)だが、一昨年あたりから、保有する不動産の処分を急いでいるとの話が散発していた。
そのなかに、広さ約16,300m2、糟屋郡須惠町の旧ダイエー跡地がある。開店から数年で閉鎖に追い込まれ、閉鎖後も長らく雨ざらしの状態で放置されていたいわくつきの土地である。JR須惠中央駅と須惠町役場の間にあり、ベッドタウンの中央に位置する同地の立地は決して悪く無いのだが、ダイエーの前例もあり、事業化が難しい土地と言われていた。
長らく買い手のつかなかった同地に最初に手をつけたのは地場マンションデベロッパーであった。その後3カ月で転売され、CREがこの土地を取得したのは07年10月。しかし、程なくして不動産業界への逆風が本格化し、CREと付き合いのあるゼネコンにも協力を仰ぐ形で方々持ちまわって売却先を探すこととなった。処分は難航し、ようやく売却先が決まったのが09年3月のこと。現在同地にはパチンコ店が建つ。
市場ではCREに対して「手を広げすぎた」との評価がある。難しい土地に手を出した本件の事例にも、その一端が垣間見えるように思われる。
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