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九州の健康食品市場を展望する(2)
経済
2010年5月11日 08:00

産学官協働プロジェクトが進展 需要高まる自然食品

通販の主流は今や九州 単品通販が奏功

 古くから九州では、大衆を前にして行なわれる実演販売が盛んだった。対面販売のノウハウを応用した訪問販売やネットワークビジネスが栄え、顧客1人1人の心を掴むテレマーケティングによる一本釣りの手法が通信販売にも広がった。やがてフリーペーパーが盛んな福岡を中心に、紙媒体を応用したマーケティングが広がりを見せ、カタログ、チラシ、DMを駆使した独自のマーケティング手法を生み出すことになる。九州の有力企業はその双方をバランスよく取り込み、さらに「アウトバンド」と呼ばれる購入後の顧客フォローをきめ細かく実践している。
 「ヴァーナル」が石鹸の販売で初めて30分CMを用いたのが20年ほど前のことだ。ブレイクした後は、同じ手法で成功する通販会社が続いた。培われたノウハウは社外に流れ出て、新たな会社が設立される。アポインターのレベルも向上し、人材は福岡から県外へも流れ出る。九州全体のレベルアップにつながっていった。

通販上位10社で2,000億円超

九州通販の有力企業 九州では単品通販といわれる通信販売会社が多い。「にんにく卵黄」の健康家族、「香酢」のやずや、「青汁」のアサヒ緑健やグリーンハウス、「石鹸」の悠香ほか、大小を問わず専門性に特化した販売戦略を打ち立てている。総合カタログ通販に飽きた消費者のニーズとうまくマッチした。
 質の高いアポインターが常に業界を回遊するなど起業インフラが整っているだけに、短期間で急成長する通販会社が他地域に比べて比較的多いとされている。わずか6年でエバーライフは売上高を200億円と倍増、黒酢の「えがお」は約6倍の160億円に成長した。その間、数多くの通販会社が誕生し、5億、10億と売上を伸ばし続けている。
 「通販の主流は関西から九州に移った」(日本通信販売協会)といわせるほど、九州には100億円規模の売上高を誇る企業がひしめいている。トップ10だけでも2,000億円を超えるとされている。
 表示規制が厳しくなる一方の通信販売業界だが、業界の健全な発展のためにと歓迎する声もある。かつて数年前、改正健康増進法等の荒波をかぶった同業界だったが、見事に立ち直って再び急成長を続けている。九州健食企業の底力を検証する。

(了)

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