九州地方のある生コン製造工場代表によると、「出荷量が遂に40年以上前の需要に戻ってしまった。もう分っていることで、数字上は工場数を減らさねばならない。だが、『お前のところの工場閉めろや!』とも言えない。たとえば、跡継ぎが居ないとか生産力に問題がなるなどマネジメント面で弱体化している工場を、組合員で協議してその工場を買い上げるなどしていかねばならない。その為の価格値上でもあるのだよ。自分達の利益だけでやっていてはダメだと、私は思う。値上した分の利益を留保するだけでなく、運用することを考えねばならない。それが出来ない組合は、同じ仲間である組合員を座して倒れるのを待っていることとなるだろう。そんなことはしたくはないのだが...」と語る。
生コン業界の暗中模索を象徴するシーンだ。全国各地で、協同組合内の経営合理化が今まで以上に進んでいることは、確かであるがそのスピードはまだ緩やかである。廃業できるならまだ御の字である。超零細の生コン工場経営者の皆様には、財務面の弱体化が進み破綻しか道が残されないように、企業存続を含めた冷静なジャッジが必至となってきた。
【河原 清明】
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