<絶好調の4年前>
最近、助信良平県会議員(民主党)の動向がまったく耳にされなくなった。同僚の民主党県会議員ですらあまり姿を見かけないという。さらには、たまに会った人が「顔色がすぐれない。体調が悪いのではないか」と心配していると耳にした。昨年、民主党福岡県連の幹事長を辞任して以降、確かに助信氏の動きは精彩を欠いている。聞くとところでは、水素エネルギーに関するベンチャー企業の応援しているそうな。
ところで4年前のちょうど今頃が一番、助信氏の絶頂の時ではなかったのではないか。筆者に「福岡市には吉田市長を、北九州市には北橋市長をそれぞれ誕生させる」と豪語し、実現させた。福岡市議会の民主党市議団の反対を押し切って吉田氏へ民主党県連の推薦を下した(民主党市議団は楢崎元国会議員を推薦しようとした)。しかし、吉田市長を誕生させたことで福岡市政は10年後退した。その罪は助信氏が負うべきである。
余談だが、福岡に縁もゆかりもない吉田氏を福岡市長選に担いだのはどうしてか。実は助信氏、吉田氏の北九州市長選挙立候補を食い止めるのに必死であったのだ。助信氏としてみれば刎頚の友である北橋氏を何としても北九州市長にさせたかった。そして、吉田氏が北九州市長選に立てば強力なライバルになると読んだ。そこで強引に吉田氏に対して福岡市長選の民主党推薦を取りつけさせたのである(格別、吉田氏が強力なライバルということではなかったのだが)。
4年前は環境も抜群であった。民主党推薦を取りつければ人物云々は関係ない。一般市民は民主党に期待し応援してくれる世相の後押しがあった。民主党の推薦が吉田氏に決されたときに筆者は「これで吉田氏は市長になれる」と踏んだ。豪腕・助信氏が羽ばたける土俵は一般市民の「民主党期待感」の支えがあってこそ成り立っているのである。いまや民主党は国民から「裏切り者」と糾弾を浴びている。助信氏の辣腕を振るえる社会的基盤は失われてしまったのだ。
<民主党どうするの! 福岡市長選>
ちょうど4年前、3名の方々が民主党福岡県連に福岡市長選の推薦公募の申請を出した。マスコミも「誰が推薦を受けるのか」を注目し取材競争が白熱していた。冒頭に指摘したように「民主党の推薦を貰えば市長選に勝利する確率が高い」と見られていたのだ。当時の助信幹事長はがむしゃらに吉田氏の推薦とりつけを画策した。この豪腕に対して批判する勢力はいたが、完全にねじ伏せられてしまった。
さあ、そこでだ。あと6ケ月に迫った福岡市長選である。植木とみ子氏が独走している。「市民派・とみ子」で選挙まで快走する決意で固めているようだ。「どの政党の推薦もいらない」と各町内会を隈なく廻る体制を構築した。女の執念は並大抵なことでは妥協しない。「植木とみこVS吉田市長」の激突であれば勝負にならないだろう。植木氏が勝つ可能性が高い。こういう局面になっても民主党の動きが表面化しないのには驚く。助信氏が健在ならば話題造りには事欠かない動きをしていたであろう。まったく無策に終始しているのだ。「参議院選挙後まで待とう」と決め込んでいる。しかし結果、民主党の惨敗となれば、意気消沈して福岡市長選どころではないか!
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