北京郊外でパン工場を経営する日本人社長が中国の雇用環境の変化を指摘している。急速な経済成長を遂げる中国の大学生も就職難ということだが、最近では新卒のホワイトカラー職よりもブルーカラー職の賃金のほうが高くなる傾向にあるという。
中国都市部での大卒初任給は2,000元(約2.7万円)。だが、最近は急増する新卒者が敬遠しがちな3K(きつい、汚い、危険)仕事での新卒求人募集においては、生産ラインを担う若い優秀な人材獲得のために2,000元を超える賃金提示を迫られている。
また、このような現状は、ブルーカラー職の労働者全般にとって賃金交渉を後押しする要因ともなり、前述の日本人経営者は「今後10年間の中国の繁栄は疑わないが、人件費の安いベトナムなどが台頭するなかで、中国が世界の工場として繁栄し続けるかは分からない」との見解を示している。
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