生の食材、味付けに日本山人蔘を加えて
山を降りるころには料理も佳境に入っていた。米は薪をくべたかまどで炊かれている。食材は、会員がクラブハウスにやって来る途中で摘んできたつくしやみつば、またエレガントジャパンの社員の1人が仕入れてきた有明海の竹崎牡蠣、これがずた袋に満杯。ハウスの管理人長淵さんは手塩にかけて栽培したシイタケ、ナバなどのキノコ類を網の上で焼いている。会員めいめいが持ち寄ったナチュラルな食材が溢れている。
料理には化学調味料も使わない。米は缶入り『日本山人蔘茶』を加えて炊く。煮物や炊き物も同様。
「こうすれば臭みが消え、素材そのものの味が一層引き出される」という。「天ぷらなんて、油が酸化しないから翌日もころもがパリッとしとるとよ」会員が口をそろえてそういう。
「老若男女は問わず、縁故は1つ」と断言する野元社長のもと、会員が結束して各々の役割を手際よくこなしてゆく。高千穂峡の眺めさながらに荘厳だ。
出来上がったのは「芽キャベツとワケギの酢みそ和え」「菜の花のおしたし」「つくしの煮込み」「わらびの煮込み」「よもぎ入りの甘辛だんご」「フキなどが入った山菜ごはん」――そして牡蠣ときのこと里芋の網焼きと、食べきれないほどのレシピの数々。牡蠣の殻をあけると牡蠣汁が滴り落ちる。里芋は皮を剥いて粗塩を振って食べる。文字通り、生の食材の味が口中にまたたくまにひろがる。
余ったものはめいめいがお土産にして持ち帰るそうだ。また、かまどの灰も持ち帰り、茶碗磨きやわらびの灰汁抜きに利用しているらしい。つつましやかな営みを立花連峰がしずかに見守っている。まさしく、俳句の季語ではないが、春の立花山が微笑みかけているようだ。食事のあとは、ネイリストが会員の指先を華やかに彩ってくれている。
「自然に逆らわずに生活すれば捨てるものは何ひとつない」と話す野元社長。ここにも花峰クラブの理念が体現されている。
「かつて癌で生死をさまよった人、家庭不和を抱えていた人、皮膚病で悩んだ人――それぞれに悩みを抱いて集まった人たちが、こうして『日本山人蔘』を通して結びあい、学び合いながら週末の時間を楽しく過ごしています」と話す同氏の控えめなことばには、みずからが歩んできた苦難の歴史がおくびにも表れていない。しかしその重みはことばの端々ににじんでいる。
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