平成19年に行われた体験型ロボット施設「ロボスクエア」の移転には、疑問がつきまとう。
元市職員らによる公金不正が発覚した発端は、ロボスクエア移転にともなう業務の契約書不存在だが、データマックスの調べから、正式に移転を要請された文書がなかったことが明らかとなった。
移転先を決定したのは、わずか5人の市職員。移転先を、現在ロボスクエアが入居するTNC放送会館に決めるにあたっては、候補地別採点でひとりの職員が同会館について飛びぬけて高い点をつけた形となっており、不自然さを拭い切れない。選定のための会議は2回しか開いていなかった。
肝心の「ロボスクエア運営委員会」に至っては、市側の選定結果を「書面表決」という安易な方法で容認。運営主体である同委員会が、有名無実化していたことが浮かび上がってきた。
最大の疑問は、多額の移転費用が見込まれる案件でありながら、それまでロボスクエアが設置されていた博多リバレイン側からの「移転要請」の文書がないことである。
データマックスが福岡市に情報公開請求して入手した公文書のなかには、博多リバレイン側からロボスクエア運営委員会に対して移転を要請した文書が存在しない。公文書で確認する限り、移転の議論は、平成17年1月29日に起案された下記の文書から始まっている。
要請文書の不存在は、移転要請そのものが口頭によるものでしかなかったことを示しており、根拠が明確でないまま移転の方針を固めたことになる。杜撰な施設運営の実態はここでも明らかだ。
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