予定された9,000万円をはるかに超え、ロボスクエア移転に要した費用は約1億2,400万円だった。
体験型ロボット施設「ロボスクエア」の運営は、「ロボスクエア運営委員会」によって行われている。同委員会は、会長1名、副会長2名のほか、10名を超える委員や監事らで構成され、ロボスクエアの運営に関しては同委員会が全責任を負っている。昨年までは鎌田迪貞・前九経連会長が運営委員会会長を務めていたが、不祥事発覚とともに高田洋征副市長に交代している。
平成19年のロボスクエア移転に際しては、市職員5名で構成された市役所内部の移転先評価委員会が「TNC放送会館」を選定。施設の運営主体である「ロボスクエア運営委員会」は、会議を開くこともなく「書面表決」で市側の意向を追認していた。
運営母体の形骸化を招いたのは、同委員会の事務局を市役所の経済振興局内に置いたことが原因。全ての仕事を市役所職員が執行し、運営委員会は単なる議決機関に過ぎなかったのである。これでは不正を見過ごすことになる。
運営費用を巡る詐欺事件以上に注目されるのは、これまで報じてきた「移転費用」に関する問題である。
ロボスクエア移転先評価委員会の議事録によれば、移転先選定段階の移転費用は、9,000万円以内とされていた。ところが実際の費用は1,238,617,832円だったことが明らかとなっている。予定より約3,400万円以上増えているのである。増加分の3,400万円については、平成14年に博多リバレインに対し支払っていた敷金の返還分から約2,500万円あまりを、さらにはロボスクエアの経常経費から約900万円を充てていた。
この移転経費については大きな疑問が存在する。
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