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【対談】 石原和幸氏 vs 別府梢風園(2)
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2010年5月18日 08:00
ランドスケープアーティスト 石原 和幸 氏
(株)別府梢風園 代表取締役社長 別府 壽信 氏

ランドスケープアーティスト 石原 和幸 氏、(株)別府梢風園 代表取締役社長 別府 壽信 氏

入場料を取れる庭づくり

 石原 やはり、事業をするからにはぶっちぎりで稼がないといけません。そうして初めて世のなかが変わるのではないかと思います。私は去年まで賞をとるために努力してきましたが、これからは稼ぐためにがんばりたいです。ようやく売上全体の4割くらい、海外での仕事をいただけるようになりました。
 今年6月28日に、北海道の富良野に私の美術館ができます。上野ファームの上野砂由紀さんなどと一緒に、庭をひとつなぎにした「北海道ガーデン街道」を手掛けていますが、ここは入場料をもらって入っていただくようになっています。
 私は、造園業者もそれなりの庭園をつくって入場料を取ることが必要だと思っています。ハウステンボスではそうした共通チケットで回ってもらえるような仕組みをつくりたいですね。
 基本的に、花が好きな人は世界で一番多いわけです。九州に来て、市内をブラブラするだけでは面白くない。たとえば「北海道ガーデン街道」のように、グラバー園とハウステンボスの共通チケットをつくる。福岡にも庭をつくってその輪のなかに入れる。そうして、個人の方まで「庭っていいよね」と感じていただけたら、我々のベースの収入も増えるではないですか。
 富良野のラベンダー畑は年間200万人が訪れていると言われています。収入源として見ても、そこに500円で入場できる庭をつくって50万人の方に来ていただければ、それだけで2億5,000万円になります。そのお金で近くにお土産や飲食店が入れるようなテナントつくり賃料をもらう。そうしたアイデアもあるわけです。福岡でもこのような仕掛けができないだろうかと考えています。

 別府 福岡は今、本当に元気がありません。石原さんみたいな方がいないからでしょう。ただ、新幹線が鹿児島までつながり、博多駅もきれいになり、韓国もソウルからプサンまで新幹線(KTX)がつながって、早い時間で移動できる一本の線が完成します。そこで、石原さんが提案しているようなものが各新幹線駅とその街ごとにできれば、かなり面白いものになるのではないかと思います。

 石原 そうした場合、誰がお金を出して誰がメンテナンス費用を工面するのかと考えたとき、私としてはオープンガーデンにして入場料を取るのがいいかなと思います。庭を見せるということです。

(つづく)

(株)石原和幸デザイン研究所
所在地:東京都渋谷区南平台町15-13
設 立:2009年1月
資本金:100万円
TEL:03-6690-8787

(株)別府梢風園
所在地:福岡市東区青葉1-6-53
設 立:1976年6月
資本金:8,500万円
TEL:092-691-0678

【文・構成 大根田 康介】

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