<"誰もが担がない"という最悪なシナリオ>
福岡市長選まで6カ月を切った。どの陣営も「7月に行なわれる参議院選挙の結果待ち」としてダンマリを決め込んでいる。「自民党・公明党・みらい」の福岡市議会三派連合内も統一候補決定がなされていない。「政治情勢云々など関係なし、我が信念を貫けばよい」という立場で今のところ植木とみ子さんがひとり気を吐いているところだ。「どの既成政党の支援もいらない(勝手に支援してくれるのはどうぞ!)。市民派として政治姿勢をアピールする」と意気軒昂だ。日に日に「とみ子さんに任せてみようか」という声を耳にすることが増えてきた。
もし「現市長・吉田さんととみ子さん」の一騎打ちになれば、誰もが「吉田さんが負ける」と断言する。この見通しはまず正解だ。吉田さんはまったく人気がない。ここにきて密かにささやかれているのは「現職の吉田さんを誰もが担がない事態の発生」という異様なシナリオだ。何か刑事事件でも起こせば話は別だが、吉田さんは品行方正な人である。2期目の再選を目指す上で誰からも担がれないとなれば「真っ赤な恥」として後世に残る。
確かにこの指摘は現時点では的を射ている。本来ならば、吉田さん自身は6月議会で「2期目も立候補します」と表明するはずだ。ところがどうもその気配がない。吉田さん陣営では、本人自身が「意志表明すると参議院選挙でどこかの政党に加担しなければならない」というケチな判断をしているようだ。しかし、9月議会での表明では遅かろう。むしろ、下記に述べるが「民主党頑張れ!」とエールを送ったほうがすっきりするのではないか。
<断念の可能性もある>
市議会多数派三派連合はまず吉田さんを推薦することはない。頼りの財界・経済界の動きは鈍い。思惑を持った一人二人の経済人が画策しているが、果たして主流派になれるかどうか疑問だ。今の経済界には期待できる集票能力はない。吉田さんはただいま一本釣りで経済人にTELをかける努力はしている。結局のところ同氏のパイプはすべて個人の人間関係だ。ここに至っても個人応援組織の結成もない。「じゃあ、ビラ張りを誰がするの!」という低レベルな対策に終始することになるだろう。
吉田さんの唯一の頼り先は、民主党の西区選出・江藤市会議員である。江藤氏が吉田さんに異常なほどの片思いをするのが不思議なところだ(吉田さんはどうもこの片恋慕を迷惑がっている)。吉田さんが「民主党頑張れ!」と意志表明しないとなると、江藤氏も党内で形成不利になる。民主党福岡市議団内でも「吉田さんを推す」という強い一致がなされているわけでもない。市議団内でもいろいろな思惑が渦巻いている。時間が経てば江藤氏の権勢も下り始めるだろう。
吉田さん! 前回は民主党の推薦で当選したのですよ。命の恩人である辣(らつ)腕・助信元幹事長(民主党福岡県連)のお陰で地位に就いたことをお忘れなく。だからこそ恩人(民主党)の力を借りることこそが人の道でしょうが。参議院選挙で必死に民主党応援に汗を流しなさい。そうすれば自ずと道が拓かれます。負けるな、吉田さん! 決して2期目に向けて立候補を断念するようなことはしないでね!
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