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特別取材

「フード・健康アイランド九州」実現へ新たなスタート(9)【健康食品の表示問題を考えよう!(2)】
特別取材
2010年5月21日 08:00

産学官連携 特別座談会

フード・健康アイランド九州 2007年、九州の地で全国でも初めてとなる機能性食品・健康食品に特化したバイオクラスター計画が産声を上げた。九州地域バイオクラスター推進協議会の下、九州全域から大学、研究機関、原料メーカー、販売会社など177社・団体が参加する堂々の産官学プロジェクトだ。研究・開発から販路開拓支援まで、一連の商流をカバーする一大プロジェクトとして関係者の注目を集めている。09年には、一番食品(株)(福岡県飯塚市)による『発酵黒八女茶』や(株)阿蘇ファームランド(熊本県南阿蘇村)による『どぎゃん』など、産学官マッチングによる商品化も果たしている。事業自立化の年となる3年目の今年、同プロジェクトに新たな課題も浮上した。九州経済産業局をはじめ同協議会の各部会を代表するメンバーを招き、これまでの足跡を振り返りながら将来展望を考えた。

省庁の垣根を超え、オール九州で

深見 農林水産省の所管で食料産業クラスターというのが各県にありまして、定期的に発表会などもおやりになっているのですが、そこがバイオクラスターとも会員がかぶっているため、クラスターの動きと重なるという無駄があります。

 それはありますね。もう少し全体的な流れにまとめていくといいのでしょうが、そのためには省庁を超えた決断が必要でしょう。

深見 九州モデルみたいなものができるといいなと思いますがね。たいていそういう動きのなかでは、それぞれの地域にキーマンと目される方がいらっしゃいますので、そういう人たちが集まってディスカッションをやって、それを各地域に持ち帰って、九州全体の連携ができていくような試みができないのかと以前から考えているのです。

秋本 バイオクラスターには農政局にも顧問として参加していただいておりますので、両局は協力関係にはあります。少なくともわれわれが進めている事業に関しては、互いに参加し合うというようなことはできるかぎりやってはいるのですが、一緒になってやっていきましょうという機運はまだ芽生えていないかもしれません。

 バイオクラスターの設立総会には農政局長もご出席になったわけですし、一緒にやっていく基盤はつくりやすいのではないでしょうか。ましてや九州においてはアグリバイオが関係しているわけですから、そこに付加価値をつけた新たな産業を育成していくということになれば、むしろ農政局に積極的にかかわっていただいてもいいと思います。

岩原 農工連携という意味合いからも大いに意義があります。

深見 ただ、食料産業クラスター自体が各県にぶら下がったりしていますので、県同士の横串というのがまたむずかしいのでしょう。

岩原 人材育成事業をキーワードで分けますと、まずは「農商工連携」、それから「地域機能性食品ブランド化」および「中核バイオ人材育成」ですが、農商工連携というのは原料からの生産・高付加価値化から商品化、つまり農業を入り口として、出口までの販売につなげるわけです。九州では特に農業が栄え、食品産業が栄え、販売業が栄えるということを考えると、地域活性化にはこの3つの産業を一連のものとして考えないと経済の活性化まではつながりにくいと思います。
 また、ブランド化するために必要な技術開発力、プロセス管理能力、ビジネスセンスなど、一通りの知識をもった中核人材が各企業には必要でしょう。特に全体からみると中小企業が圧倒的に多いわけですから、それを目標にして人材育成を行なうにあたり、九州らしさを出した九州方式といわれるような育成事業に発展させていければよいと思っています。
 ただしそのときに、本育成事業の受講者・修了者をどのように評価するかが問題として浮上します。今は崇城大学が管理法人を行なっておりますが、自立化の折にはそれがどういう形で出せるのか、できれば九州バイオクラスターのお墨付きがもらえるのか、そのあたりが一つの課題として残ります。
 また受講者に対する補助金制度などの充実も図る必要があります。さらにブランド化における九州の土壌・土質の研究なども今後は商品特性を出すにあたって考慮すべき大事なことだと思われます。

 人材育成というのは企業の大きな課題ですから、バイオ関係でこれほど大きな体系をもっておやりになっていらっしゃるということはほかではそうないことだと思います。価値のあることだと考えますので、もっとPRされて多くの企業に参加していただけるといいと思いますね。

宮房 OJT(On-the-Job Training)で、働きながらトレーニングすることも必要なのですが、なかなかレベルが上がりにくいという課題があります。特に技術系の人たちはキャリアを積むのに相当時間がかかりますから、外部で講義を受けて現場で実践するということをくり返しながらやっていくことは必要なことですね。

(つづく)
<出席者>
九州経済産業局 秋本郁夫氏 九州経済産業局 地域経済部製造産業課
次世代・基盤産業担当参事官 秋本郁夫氏
オーム乳業(株)専務取締役 農新介氏 九州地域バイオクラスター推進協議会 企画運営委員会委員長
/オーム乳業(株)専務取締役 農新介氏
一番食品(株)企画部部長 宮房伸博氏 九州地域バイオクラスター推進協議会 マーケティング部会副委員長
/一番食品(株)企画部部長 兼 通信販売事業部長 宮房伸博氏
崇城大学 特任教授・農学博士 岩原正宜氏 九州地域バイオクラスター推進協議会 人材育成関係部会企画運営副委員長/崇城大学 特任教授・農学博士 岩原正宜氏
九州大学 知的財産本部 特任教授・農学博士 深見克哉氏 九州地域バイオクラスター推進協議会 クラスターマネージャー
/九州大学 知的財産本部 特任教授・農学博士 深見克哉氏

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