<首長は事業能力が問われている>
吉田さん! 前回は「"2期目に立ちきれなかった吉田市長"という歴史的汚名が残りますよ」という警告を発しましたよね! もうひとつ厳しい評価が定まることを予告しておきます。
「無策で福岡の都市力を衰退させた張本人は吉田市長」というレッテルが後世に残るということです。今、自治体の長には経営能力が問われています。福岡市においても人口増は1年間で7,000人程度になりましたよ(首長リーダーシップ論は次号にて)。
もともと、マスコミ人(新聞記者)には事業遂行能力はない。激変時代には"無を有にする"事業組み立てのパワーが求められている。度々、指摘してきた朝日新聞社の経営の惨状。7年間で売上1,000億円喪失する恐れがある。対策は首切りと経費カットだ。そして、その縮小均衡経営手法の行きつく果てはジャーナリズムの放棄である。鹿児島地区では朝日と読売で情報のカバーリングを検討しているとか。信じられないことだ。
吉田氏の所属していた西日本新聞社でも似たり寄ったりの経営状態にある。若手の読者が新聞を読まないという深刻な事態だ。原因は景気不況のせいではない。構造不況のせいだ。こうなると抜本的な対策を講じる必要がある。ところがだ。新聞記者は「あーでもない、こうでもない」という論調でモノを書いてきた、言ってきた。すべてが他人事なのである。新聞記者あがりの吉田さんもいつもノウテンキな他人事の顔をしている。鈍感であるから福岡市の都市力が衰退しているという認識もない。認識したとしても「どういう手を打っていいのか皆目見当がつかない」というのが吉田さんの心境ではないか。
<常に我がごとに置き換えてきた>
筆者も情報記者として35年間、飯を食ってきた。一番得意としてきた領域は事前情報発信である。「あの会社はあれこれの悪要因で潰れるであろう」という予想してきた。少し自慢話をさせていただきたい。これがことごとく当たった。昔(平成3年)に「岩田屋潰れるかも」という情報を流した。RKBの名物キャスターが「コダマさん! 岩田屋は潰れないじゃない」と嫌味を言われ続けた。それが2年続いたかな。結果、このキャスターは「凄い! コダマさんが言った通りになった」と称賛してくれた。
これが吉田記者(一般記者を代表しての吉田さん)なら「俺の先見性は的確だっただろう」と自画自賛に酔う。しかし、筆者は常に自分に置き換えて自問自答をしてきた。「俺であればこの局面ならこうする」と設問を設定して解答を出す訓練をしてきた。会社を設立する際に覚悟を決めた。「潰したら物笑いの種になる。結局のところコダマは論評しかできない奴だったと詰られるだろう。潰れない為には大きな資本金を集めることだ」と1億円でスタートした。だから15年間、倒産しなくて済んだ。馬鹿にされることから免れた。
筆者もそろそろビジネス人生の総決算の時期に差し掛かってきた。現在、自社の5カ年事業計画の作成作業をしている。8月までに仕上げるつもりだ。「少なくとも年商15億円の規模で次世代にバトンタッチをしたいな」と秘策を考えている。他人様の倒産情報で営みをしてきた。であれば「他人様に自分の経営内容の情けなさを論評されるのは真っ赤な恥だ」と言い聞かさて自戒して奮闘するのは当然のことである。吉田さん! 自分に置き換えて思考する鍛錬をしてみたら。まだ遅くない。
(つづく)
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