＜雲泥の差・首長の指導力＞
　大阪府知事・橋下氏、名古屋市市長・河村氏は、人気者の首長である。マスコミ流に言えばその通りであるが、今流に言えば「株式会社自治体」の名事業主だ。
　ゴールデンウィークに名古屋に行った。市長の河村氏は、タクシーの運転手さんには絶大な人気である。「河村市長は、市民のために行政改革を遂行しようとしている。市長報酬も大幅に下げた。職員・市議議会議員の定数削減・給料カットにも手を付けようとしているのには、市民全員が拍手喝采をしている。それなのに、市議会全会派が反対していることは絶対に許さない。この時代にこそ、議員・職員が率先して我が身を削らないと」と熱弁を奮ってくれた。

　改革に反対する輩（各議会会派）を粉砕するために、橋下・河村両氏とも地方政党の組織化を打ちあげた。新聞大手は「行政をチェックするために議会の自立化は重要だ」という建前のごたくを並べている。要は、首長党首の地方政党結成には反対と述べているのだ。
　これには異論がある。両首長は、それぞれの自治体の改造・活性化に果敢に挑戦している。阻害勢力を排除するには、議会で主導権を握る必要がある。その手立てとしての地方政党の旗揚げは道理と考える。これには賛成の意を表す。いずれ、全国に連合組織が広がるであろう。そして行きつくところは、「道州制」の導入だ。地方がそれぞれに自力を養わないと、日本国は滅びる。
　まず、両首長は行政のコストを大幅に圧縮断行する。次の狙いは自主税収入の拡大である。中央政府と激突するだろう。自主財源が増えれば、それぞれの事業収入増大のための具体的な行動が展開していく。戦略的観光事業によって外部からの往来者を増やすことで、地元の小売業に潤いをもたらす。今後問われる首長のリーダーシップとは、「株式会社大阪府」「株式会社名古屋市」の社長としての手腕なのである。

＜吉田さん　事業主能力を養いなさい＞
　吉田さん!!前述した橋下・河村両首長の活躍を、どう感じているのですか。少なくとも二人は、全国から注目を浴びるほどの情報発信を数多く行ないました。「おー、大阪は頑張っているな」「名古屋の市民は政治意識が高い」と関心を持たれています。
　吉田さん!!現在、３年半の福岡市長在任中です。この間に、福岡市長として全国から関心を集める情報の一本くらい発信しましたかね。貴方には直接責任はありませんが、全国ニュースになったのは暴力団抗争事件・凶悪犯罪事件ばかりです。「福岡は怖いところ」という印象を植えつけてしまったのではないでしょうか。
　それはさておき、吉田さんの情報発信力に欠けることが人気のない原因の一つではないでしょうか。広報活動に無頓着とは、マスコミ出身者としては情けない話です。

　吉田さんの３年半の間にわたる、福岡市政の采配ぶりを観賞させていただきました。残念ながら、「自治体首長としての事業主能力は皆無です」と結論を下すしかありません。また、ブレーンたるべき副市長二人もつまりません。市役所ＯＢたちからは、「史上最悪の仕事セン怠け者」と呼ばれています。
　吉田さん!!側近は頼れません。二期目の立候補をしようとするならば、事業主たる能力を自ら養成してください。

（つづく）

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