収益力の差は歴然
ダヴィンチとケネディクスの09年12月期および10年12月期第1四半期の決算(下記図表)を見ても、本業での収益力に大きく差が出ていることが分かる。
今年6月1日をもって、ダヴィンチはヘラクレス上場が廃止となる。09年12月期決算において株主資本が▲110億2,000万円の債務超過に陥り、4月の月間の平均株価が1万円未満(月間平均は1,438円)で上場廃止基準に該当したためだ。文字通り市場から退場することになり、かつての勢いは完全に失われた。一方のケネディクスも、懸念材料がないわけではない。07年12月、アパマンショップホールディングスからCREの株を約44億円で買い、ゴールドマン・サックスに次ぐ株主(29.1%)となっていた。そのCREが倒産し、ケネディクスへの影響が少なからず出るのでは、という見方もあった。
ただ、同社は「2010 年12 月期連結業績予想においてCREの連結簿価残高全額に対して持分法投資損失9,900万円をすでに見込んでおり、追加損失が発生することはない。CREは昨年12月末に債務超過となり、危機は感じていた。倒産した当初は問い合わせも多かったが、今後の業績には大きく影響しないと考えている」(同社担当者)としている。株価もその影響で下がりはしたが、今のところ許容範囲内にとどまっている。
また、09年3月に締結した三井住友と三菱東京UFJの共同アレンジャーによるシンジケートローンの158億円の償還期限が、今年6月末に迫っている。これは「リファイナンス交渉で3年半の延長をする予定。それほど難しいものではないと認識している」(同社担当者)という。
【大根田康介】
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