2009年度の住宅着工数で分譲住宅において、一戸建てがマンションの着工数を上回った。(マンション:67,382戸、08年度比▲59.1%、一戸建て:95,294戸、同比▲10.6%。ただし、いずれも08年度比で減少傾向)
全国的にマンションの開発が後手(立地条件の良好な宅地が減少)を踏んでいることも相まっての結果であることを差し引いても、『自分の城』は一戸建てにしたいという住宅購入予備軍が増加していることは確かである。
各人それぞれ"住まい"に対する価値観が違うので、「マンション・一戸建て及び持ち家・賃貸どれがベストであるか?」という問いへの答えは、ここでは申し上げたくない。もっとも断定もできないであろう。ただ、住宅業界に精通する消息筋によると「買え控えしていた購入できる顧客層が、ここに来て購入意欲が高まっている。この5月のゴールデンウィークで、マンションのモデルルームもさることながら、戸建の住宅展示場は盛況であったことは確か。エコポイントや各種補助・助成金制度そして、金融機関の住宅ローンの審査基準の緩和や低金利も後押ししている。比較的低価格でクオリティの高い戸建住宅を大手・中堅問わず、供給しはじめている。同じ2,000~3,000万円投資するなら画一的な住空間のマンションより、各人のライフスタイルへのこだわりを反映させた戸建注文住宅を所有したいという機運が強まっている」と語る。
福岡市内及びその近郊のモデルハウスへ過去何度か足を運んだ。どのモデルハウスでも見受けられたのだが、来場者は非常に熱心に住宅供給会社スタッフの話を聞き、細かで専門的な質問を投げかけていたことが印象として残った。
長期優良住宅における我が国の施策やバックアップも、戸建住宅業界においては追い風になっている。戸建住宅、特に注文住宅に関する市況は、今後急激な躍進はないものの、緩やかな上昇気流を描くのでなないか。前出の業界消息通は「ひと昔前と比較して、ソフト・ハード面双方とも品質及び技術・技能においてレベルが格段に向上している。各社企業努力している。建築基準法の厳格化もマイナス面ばかりがクローズアップされたが、顧客側の視点で見れば品質においては、ある意味利点もあったのではないか」と語る。
【河原 清明】
◆住宅情報サイトはこちら >>
住宅情報サイトでは住宅関する情報を一括閲覧できるようにしております。
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら