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通信販売業界の軌跡(2)【健康食品の表示問題を考えよう!(3)】
特別取材
2010年5月25日 08:00

総合通販から専門通販、関西から九州へ

(社)日本通信販売協会(JADMA)理事 主幹研究員 柿尾 正之 氏


<総合通販から専門型通販へ>

 それらがターゲットの中心としたのが主婦層でした。最も象徴的だったのがセシール(香川)ではないでしょうか。それまでは、たとえば主婦がストッキングなどをダイエーやイトーヨーカドーで買っていたのが、品揃えや価格の安さに惹かれ、次第にセシールの利用者が増加していきました。92年(93・97年度にも達成)にセシールが2,000億円を超えて以来、まだ日本の企業でこの売上高は達成されていません。カタログを用いた総合通販の全盛時代は90年代半ば過ぎまで続きました。
 ここで事件ではありませんが、ある事態が起こるのです。97年、98年と2年連続で通販市場がマイナスに落ち込むのです。これは総合通販に限ったことではなく、当時は百貨店やスーパーも売上げを落としました。

 ―何でも屋の時代が終わったのですね。

(社)日本通信販売協会(JADMA)理事 主幹研究員 柿尾 正之 氏 柿尾 そうです。つまり特色のない通販が嫌われ、専門的な時代に突入したのです。このあたりから、ファンケル(神奈川)など化粧品に特化する通信販売が伸びはじめました。DHC(東京)やオルビス(東京)もそうですね。ここで健康食品を商材とする通販会社も少しずつ顔を出しはじめます。衣料品も通販で買おうという時代から、ユニクロ(山口)の台頭によって勢力図が変わり始めます。
 99年からは専門通販の時代に突入し、再び通信販売市場が伸びはじめた。ファンケルやオルビスなどはフルラインで化粧品を揃えているため品数も多いのですが、素材に特化した専門の通販が出て来はじめます。やずや(福岡)、山田養蜂場(岡山)、わかさ生活(京都)などです。さらにそのあと、2000年代に入ると、TVでおなじみのエバーライフ(福岡)や健康家族(鹿児島)などが台頭をはじめます。
 また、ここ数年はインターネットやテレビ通販の影響がそこに輪をかけて顧客を獲得するというのが大まかな流れです。

(つづく)

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