杜撰な会計処理が原因で、詐欺事件まで引き起こした福岡市のロボット体験施設「ロボスクエア」をめぐり、同施設を運営する「ロボスクエア運営委員会」(会長・高田洋征副市長)の平成18年度「監査報告書」が二通りあることが分かった。福岡市への情報公開請求で入手した文書による。
どちらも平成19年7月5日に実施された監査結果の報告書で、同年7月10日付けのもの。監事2名によって行われた監査結果の項目だけが異なっていた。
片方の監査結果では、『平成18年度事業報告書、収支決算書と関係帳簿、証票書類を検査した結果、その計数は正確であり、かつ業務の執行状況も良好であると認めた』とし、もう一方の報告書では、決算内容の計数は「正確」としながらも、帳簿類の作成や予算の執行に「改善」の必要性を指摘。市の負担金が相当額を占める事業のため「公益法人会計基準に準じ」るよう改善を求めていた。
同日付けで異なる監査結果が出され、二通りの報告書が公文書として残されていたのである。
ロボスクエア担当の市経済産業局産業政策部科学技術振興課(平成18年当時は産業政策部新産業第1課))には経緯を知る職員が残っていない上、問題の監査報告書の原本が福岡県警に押収されているため「なぜ二通りの監査報告が残されているのか、わからない」という。通常では当然認められるはずのない2種類の監査報告に、職員までもが戸惑いを見せる。
同じ日に2枚の監査報告書が出された経緯を知るべく、実際に監査を行った監事を訪ねることとなった。
(注:下の文書が2枚の監査報告書。それぞれの監査結果は違う内容だった。)
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