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医療の現場から国政へ 「医療と平和を守りたい」~秋野公造氏に聞く~(3)
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2010年5月26日 08:00

<Dr.コトーに憧れて>

 ── 「国立医師バンク」の設立を提唱されていますが?

 秋野 長崎県の島原市で、11年間地域医療に従事してきた経験から言わせていただきますと、医師不足とは、地域医療が崩壊してきているということだと思います。医師不足が叫ばれて久しいですが、改善の状況は見えず、状況はどんどん深刻になっています。
 私は、Dr.コトーみたいなものに憧れて島原に行ったのですが、若いお医者さんは、いろんな経験をして自分の腕を磨きたいと思っているはずです。地域医療というのは、何でも考えないといけません。内分泌の専門ですから内分泌しか知りませんというのは、都会では通用しても、地域では通用しない。呼吸器も循環器も消化器も、それこそ眼科から何から何まで向き合わなければならないわけです。だからこそ地域医療によって、医師の力がつくんです。しかし、地域医療に飛び込むためには、自分が積み上げてきたキャリアをすべて捨てて、片道切符で向かわなくてはいけないという現状があります。
 しかし、その任期が終わった後は、必ず元の場所に戻してあげることを、国が保証してあげれば、私は地域に行く人が増えてくると思うのです。2年あるいは3年経てば必ず戻してあげる。まずは、その環境づくりか始めることができないか、というのが医師バンク構想です。

<厚生省に出向>

 ── 厚労省にはどのような経緯で出向されたんですか

 秋野 大学の教授会で、秋野公造を厚生労働省派遣と決まりして、これはもうショックでした。ものすごく不安になったのを覚えています。3月の中旬の教授会で決まって、4月1日にはもう行けですから(笑い)。行ってみて、官僚の優秀さには驚きました。官僚の熱さにも感動して、安心した記憶があります。
 薬害患者の担当となりまして、患者団体から、怒声や罵声を浴びながら仕事をしなくてはいけない辛さや、信頼関係がない中でいくら話し合っても、決していいものは出てこないという現実を味わいました。しかし、薬害エイズ問題では、粘り強く患者団体、医療機関、厚労省の3者をつなぐ努力を重ねました。その結果、日本初の「エイズ検査センター」設置に結びつけることができたのです。
 薬害患者団体のオフィスを何度も訪ねて頭を下げ、「教えて下さい、教えて下さい」と頭を下げるうちに、やっぱり人間対人間です。薬害の患者さんしかわからないことを教えていただけるようになったとき、私はそのまま厚生労働省で、それを実現させていただきました。自分がエイズに感染したのではないかと心配な若者の気持ちは、医者よりも薬害エイズ患者の方がもっとわかるでしょう。その観点から、医者が運営するのではなく、薬害エイズ患者が運営する「エイズ検査センター」にしたのです。患者が、医療の受け手から、医療の主体者になった瞬間でした。

<新たな挑戦へ>

 ── 国政に挑戦すると決めてからは?

 秋野 正直、自分が国政に挑戦することになるとは夢にも思っていませんでした。ですが、医療の現場で医療の限界を知る私だからこそ、そして官僚機構の中で医療のシステムの矛盾というものを嫌というほど見てきた私だからこそ、できることがあるんだと思い定めています。公明チーム3000の一員として、地道な政策提言を行っていく決意です。ほんとに困っている人たちの力になり、人と人とを結ぶ役回りを果たすことができたら本望だと思っています。

 ── 民主党政権をどのように見ていますか?

 秋野 民主党は、聞こえの良いメッセージで国民の目を逸らし、気がつけば揚げたアドバルーンはいつの間にかこっそり降ろしていて、結局何にもできない政党であると思っています。さらに、一国の総理大臣と与党幹事長の秘書が合わせて5人も捕まるような異常事態はありませんでした。その一点だけでも、民主党はいったん退場すべきだろうと思っています。国民の声を結集できる政党だとも思えません。今こそ、庶民から生まれた公明党の出番であり、その中でお役に立っていけたらと思っています。

(おわり)

【秋野公造氏プロフィール】
 平成4年に長崎大学医学部を卒業し、同大学院へ。 アメリカ留学を経て、平成18年より厚生労働省に出向。疾病対策課、血液対策課の課長補佐を歴任。平成21年からは東京空港検疫所支所長に就任。同年厚生労働省退職。
 医学博士・長崎大学客員教授。公明党青年局次長・国際局次長。
 受賞歴:社団法人日本内分泌学会 若手研究奨励賞/ヨーロッパ組織再建学会 若手研究奨励賞/日本創傷治癒学会 研究奨励賞/アメリカ・日本創傷治癒学会ジョイント学会 第1回優秀演題
 著書:「健康ニッポンを造る!」(潮出版社刊)
 趣味・特技:スキューバーダイビング、サイクリング
 好きな食べ物:果物
 好きな映画:レッドクリフ


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