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なぜ?異なる監査報告書 ~ロボスクエア事件の背景~
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2010年5月26日 08:00

 長年にわたって不適切な会計処理が放置され、詐欺事件の舞台にまでなったロボット体験施設「ロボスクエア」を運営する「ロボスクエア運営委員会」(会長・高田洋征副市長)。福岡市への情報公開で入手した文書から、同委員会の平成18年度監査報告書が2通り見つかった。通常では考えられないことだ。

 ロボスクエア担当の市経済産業局産業政策部科学技術振興課(平成18年当時は産業政策部新産業第1課)に聞いても、なぜ監査報告書が2枚あるのか分からないという。

 その理由を知るため、当時「監事」を務めた元市会計管理者の福本隆之氏(現・財団法人 ふくおか環境財団理事長)を訪ねた。福本氏は、2通りの監査報告書についてよく覚えているという。『平成18年度事業報告書、収支決算書と関係帳簿、証票書類を検査した結果、その計数は正確であり、かつ業務の執行状況も良好であると認めた』とだけ記された1枚目の監査報告書は廃棄すべきだったとした上で、残っている2枚の報告書が存在する理由について次のように説明した。

 1枚目の監査報告書作成にあたり、会計処理上不確かなところが気にかかったため、まずロボスクエアを担当する経済振興局新産業課に指摘した。当時の担当課長から改善する旨の確約を得たため、同報告書に押印したのだという。
 ただし、福本氏はこの時、口頭では曖昧だと考え、証拠書類が残るようにするため、あえて改善内容を記した文書を作成し渡したと明言した。文書の改善内容を実行することが担保されたからこそ押印したとしている。

 しかし、その後開かれたロボスクエア運営委員会の会議で事の顛末を報告したところ、大学教授などの識者委員から、監査報告書に改善内容を記入すべきだとの指摘を受けて、2枚目の監査報告書作成に至ったという。

 指摘を受けた側の当時の担当課長・嶋本和夫氏(現・福岡地区水道企業団総務課長)にも、経緯を尋ねた。

監査結果

(つづく)

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