MrMaxが消費者の低価格志向の追風に乗り切れない。2010年3月期は3期ぶりに経常増益に転換したものの、売上、利益とも予想を下回り、売上高経常利益率は1%に届かなかった。不動産事業に傾斜し、本業の商品力強化に手を抜いてきたことが響いている。ディスカウントストア(DS)間の競争が激化するなか、生鮮まで網羅するスーパーセンター(SuC)への出遅れをどこまで取り戻せるかが、収益浮揚のカギを握る。
売上、利益とも予想下回る
2010年3月期は、期中に不振のパソコン販売子会社を売却したのとネット販売会社を本体に吸収したため、連結対象がなくなり単独決算に移行した。売上高は連結決算だった前年度に比べ3.8%増の1,034億円と宿願の1,000億円の大台を突破したが、2月初めの第3四半期決算発表時に上方修正した1,040億円を5億円強下回った。営業利益は12.3%増の7億5,600万円、経常は20.5%増の9億8,900万円と07年3月期以来の増益に転じ、2ケタの伸び率になったが、従来予想をそれぞれ1億6,400万円、1億3,100万円下回った。売上高経常利益率は見込んでいた1%台に届かず、0.96%にとどまった。
決算期直前の2月初めに増額修正した数字を達成できなかったのは異例。経営陣は見通しの甘さを指摘されても仕方ない。期初予想の営業利益9億円、経常利益11億円も達成できなかった。
主因は、終盤戦の2月に入って既存店の売上が失速したことによる。3月は前年同月比2.5%減と、猛暑だった昨年7月以来の落ち込み幅を記録した。
売上の伸び悩みで、2月にオープンした長崎県時津店の開業費用を吸収できなかったことも響いた。1~3月期だけ見ると、営業利益は1億6,300万円、経常は9,700万円のそれぞれ赤字だった。
【工藤 勝広】
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