本社移転で組織を固める
<アパレル、就業支援も学生のニーズから開始>
―アパレルや就業支援を始めた経緯をお聞かせください。
柳川 学生と仲良くなると、旅行以外の相談も受けるようになったのです。「学園祭のときに使うユニフォームを手配してもらえないか」などで、小ロットではあったのですが、その希望に応えて学生に特化したアパレル事業を始めました。その学生たちが3年生になると、就職のために目の色が変わります。けれども、どんな会社があるのか、社会人になるのに必要なことは何か、など不安が多かったようで、これも相談を受けるようになったのです。そこで、学生と企業をマッチングする就職支援事業を手がけることにしたのです。
―すべて学生のための仕事なのですね。
柳川 始まりはそうですが、卒業して就職した後には社会人同士のつながりに発展しました。遊技場に勤めた元学生から制服1,000着の発注をいただいたりもしました。学生はいつまでも学生ではなく、時間が経てば社会人になるのです。大きな可能性を秘めていることを認識させられます。
―就職支援も独自のやり方をしていらっしゃいますよね。
柳川 単に学生と企業の橋渡しをするのではなく、登録してもらった学生にはセミナーや講演会を開いて社会人教育を行ないますし、就職の悩みを聞くカウンセリングも実施しています。また、学生が安心して就業できるように、経営力、成長力がある会社のみを紹介するようにしています。就職はその人の人生をある意味で決定付けてしまいますから、就職支援は真剣にやらなければいけません。学生も企業も、そして私たちも真剣に取り組んでいます。
―まさに、学生に特化したビジネスモデルですね。
柳川 そうですね。すべて学生から始まった事業です。旅行を通じて仲良くなった学生たちが、自分たちに必要なサービスを教えてくれました。それが今の弊社の姿を形作っています。私は、旅行もアパレルも就職支援もすべてサービス業だと思っています。思いやる気持ちと、もてなしの心がなくては、この仕事はできません。学生の間はせいぜい2、3年の付き合いですが、それが卒業後は、40年以上の付き合いの始まりになります。お世話させていただいた学生のなかには、卒業後、ネオ倶楽部の社員として働いてもらっている人もいます。
―今後の発展を期待させていただきます。本日はありがとうございました。
【文・構成:柳 茂嘉】
(株)ネオ倶楽部
所在地:福岡市博多区中洲5-6-24
設 立:2000年12月
資本金:1,000万円
年 商:(09/11)11億3,000万円
柳川 敏昭(やながわ としあき)氏
学生時代から旅行愛好会をつくり、自ら旅行を企画、運営していた。その経験から旅行会社へ入社し、独立を果たす。旅行事業は「オアシス」の名で学生に浸透している。これからはアパレル、就職支援に力を入れたい考え。
※記事へのご意見はこちら