社民党は30日、全国幹事長会議を開いた後、臨時常任幹事会で正式に連立政権離脱を決めた。
　鳩山政権は、参院選を前に大きな打撃を受けたことになる。

　この日開かれた同党の全国幹事長会議では、一部に慎重論があったものの連立離脱に賛成する意見が大勢を占めた。引き続き開かれた常任幹事会では、参院新潟選挙区で民主党と選挙協力関係にある現職議員らから離脱反対の声が上がったが、「党首の罷免は社民党の意思の否定」として、８か月続いた民主党との連立を解消することを決定した。

　社民党にとっては米軍普天間飛行場の県外移設は「1丁目1番地」（同党幹部）。沖縄の米軍基地削減は党是に等しく、昨年の総選挙で「最低でも県外」と公約した鳩山首相の変節を認めることはできなかった。決定を受けて、連立離脱に慎重とされた同党の辻本清美国土交通副大臣も同日中に前原国土交通相に辞意を伝えた。鳩山政権の迷走を止められなかったものの、社民党は土壇場で筋を通したことになる。

　社民党の政権離脱が政権に与える影響は甚大だ。参院の議席数242のうち民主党は166席。国民新党の６議席を加え、辛うじて過半数の122を維持することになる。国会終盤を迎え、参院の運営は綱渡りを余儀なくされる。
　政権発足時に結んだ民主、国民新、社民による３党合意の見直し結果次第で、選挙協力でも破たんを来たす可能性があるうえ、党内からも社民の連立離脱を招いた鳩山首相の責任を追及する意見が顕在化している。
　各メディアの緊急世論調査では、政権支持率が軒並み10％台に低下し、国民からも見放された形。
　四面楚歌の状態に陥った首相に、「辞任」の２文字が現実味を帯びはじめた。

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