30日、博多における初夏の風物詩となった、歌舞伎役者による「船乗り込み」が行なわれた。中洲沿いを流れる博多川を船に乗って下るのは、6月2日から公演される「六月博多座大歌舞伎」に出演する歌舞伎役者たち。今年は、人間国宝の坂田藤十郎さんをはじめ、中村吉右衛門さん、市川染五郎さんといった人気役者が参加した。
船先には歌舞伎役者、その後に来賓十数名が乗船した。操船するのは、川くだりで有名な柳川市の船頭たち。当日は、晴天に恵まれたが海からの風が強く、熟練の船頭も苦労をしていたようであった。時には船同士や橋桁に接触するなど、ヒヤリとさせる場面もあったが、全ての船は無事に目的地の博多リバレインに到着した。
博多リバレインでは、歌舞伎役者が公演に先立ち、それぞれあいさつを述べた。市川染五郎さんが「私の母は博多出身でして、私にも博多の血が流れております」と述べると、会場から盛大な拍手が起こった。その染五郎さんに先立ちあいさつに立った中村吉右衛門さんは「私が演じますのは、天下の大悪人、『いちかわ』じゃなかった石川五右衛門でございます。『いちかわ』は私の甥(市川染五郎さん)でした」と、さりげなくユーモアを織り交ぜ、観客を沸かせていた。
「六月博多座大歌舞伎」は、博多座で6月2日から26日まで、昼の部(午前11時から)と夜の部(午後4時15分から)の1日2回に分けて公演される。詳細は博多座のほか、劇ナビFUKUOKAでも確認できます(関連リンク参照)。
▼関連リンク
・博多座
・劇ナビFUKUOKA
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