ジャスダック上場の新興不動産業者である(株)プロパスト(東京都、代表:津江真行)は5月14日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。負債総額は554億4,700万円が見込まれる。
同社は1987年12月に(株)フォレストアイとして設立されたもの。92年1月に現商号に変更している。当初は賃貸用マンションの売買を中心とした事業展開だったが、その後、デザイナーズマンションの自社分譲に進出。マンションごとに異なるコンセプトを打ち出すオリジナリティが支持され、次第に知名度を増していった。また、事業スキームにSPC(特別目的会社)を取り入れたことで業績が急拡大。2006年12月にはジャスダック上場を果たし、08年5月期は過去最高の連結売上高1,021億5,800万円を記録していた。
しかし、サブプライムローン問題に端を発する急激な不動産不況により同社の業績も急落。09年5月期の売上高は855億6,300万円にまで落ち込み、不動産評価損に起因する多額の特別損失もあり268億9,600万円の当期損失を計上、債務超過に転落した。その後も業績の回復には至らず、10年5月期第3四半期末では364億1,200万円の債務超過となっており、棚卸資産(不動産)、賃料債権、預金債権等の差押を受けた結果、事業継続が困難となり法的手続きを余儀なくされた。
なお今後は、上場廃止基準の特例の規定に従って上場を維持しつつ、再建を図っていくとしている。
同社は本日14日正午、東京都内で津江真行社長らが記者会見する予定。
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