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九電川内原発の謎(1)―「推定断層」とサメやクジラの死骸漂着(下)
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2010年5月 2日 08:00

<膨大な温排水は何をもたらすか>

 九電と東電の原発は炉型が異なり、九電のタービン建屋は放射線管理区域外だが東電のそれは管理区域であり、放射能で汚染されている。世界各国の原発はそれぞれ炉型が違うとはいえ、地震と原発は最悪の取り合わせ。チェリノブイリ原発事故もさまざまな要因が重なった結果だが、その1つに地震があったのも事実。とりわけ地震国・日本の原発にとって地震は最大の脅威である。柏崎刈羽原発も地元から断層の存在や地盤の脆弱性を指摘する声を無視。被災してから、その深刻さに「想定外」なる言葉で逃げる東電は無責任のきわみ。九電はこの無気味な「推定断層」をどう捉えているのか。
 地震とは違う大きな脅威はまだある。すでに稼働している1、2号機が長年にわたって周辺環境を大きく変えてきたことだ。その最たるものが膨大な温排水である。原発は炉内を循環しながら冷却した水を、さらにパイプを通して最終的には海水で冷やす。その量たるや100万キロワット級原発では毎秒数百トン。要するに89万キロワット2機が稼働する川内原発では、毎秒数百トンもの海水が吸い上げられては吐き出されている。
 放出される海水は、当然ながら取水時より温度が高く、環境への影響を考慮して地元との協定では上限が7度とされている。しかし、それが守られていなければ当然、守られていても長年にわたる膨大な温排水は何をもたらすか。漁獲量が減るのは当然だが、近年目立っているのがサメやクジラ、ウミガメ、エイなど大型魚類の死骸が川内原発脇の海岸に打ち上げられることだ。詳細は「NET-IB」でリポート中だが、海水の温暖化は地球規模の問題に発展する。死骸漂着は何を意味するか。九電の見解とともにさらなる謎も検証したい。

(了)

恩田 勝亘【おんだ・かつのぶ】
1943年生まれ。67年より女性誌や雑誌のライター。71年より『週刊現代』記者として長年スクープを連発。2007年からはフリーに転じ、政治・経済・社会問題とテーマは幅広い。チェルノブイリ原子力発電所現地特派員レポートなどで健筆を振るっている。著書に『東京電力・帝国の暗黒』(七つ森書館)、『原発に子孫の命は売れない―舛倉隆と棚塩原発反対同盟23年の闘い』(七つ森書館)、『仏教の格言』(KKベストセラーズ)、『日本に君臨するもの』(主婦の友社―共著)など。


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