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ロボスクエア不正 背景にスーパーブランドシティ破たん
社会
2010年5月 7日 08:00

 体験型ロボット施設「ロボスクエア」を巡る詐欺事件は、改めて福岡市の公金管理の杜撰さを露呈した。ここで、ロボスクエアに多額の税金を投入することになった理由や、開設経過について確認しておきたい。

 ロボスクエアは、2002年に開催された「ロボカップ2002福岡・釜山大会」を契機に、同年7月に開設された体験型ロボット施設である。
 公式ホームページにはロボスクエアの役割について、次のように記されている。

《 これまで産業用が中心であったロボットが、これからの少子高齢化の中で家庭やオフィスに進出し、医療や介護、災害救助、また癒しの分野などでも重要な役割を担っていくと考えられます。ロボスクエアは、実際にロボットに触れて、体験し、考えていただくことを通して、今後ロボットを市民生活の中でどう活かしていくか、また人とロボットの理想的な共生とはどのようなものかといった、夢をはぐくむ場です。
 このため、ロボスクエアは、
  • ○ロボットに親しむ(ロボット体験型集客施)・・・集客施設としてロボットを展示し、ふれあいと認知を図ります。
  • ○ロボットを学ぶ(RT(ロボットテクノロジー)に関する教育施設)・・・小中高校生のロボット技術の学習支援を通じて人材育成を促進します。
  • ○ロボットを創る(RT(ロボットテクノロジー)関連産業支援施設)・・・ロボット関連企業と連携し、ネットワーク化を図り、関連企業の支援を行います。
 この3つを目標に掲げ,市民の皆様や子どもたちの科学技術への理解を深め、未来の夢を育むとともに、ロボットに関連する研究者や企業関係者の連携をすすめ、産業振興のきっかけづくりが期待できる場所となるよう運営しています》

 崇高な使命とは裏腹に、ロボスクエア開設までの当時の動きはいかにも急だった。02年3月に「ロボスクエア運営準備委員会」設置。駆け足でその後の方針等をまとめると、6月には大野茂 九州・山口経済連合会会長を運営委員会会長とする「ロボスクエア運営委員会」を発足させ、翌月には「ロボスクエア」を開設している。福岡市への情報公開請求で入手した文書からは、開設までの流れは分かるものの、どうしてロボスクエアが開設されるに至ったかの方針決定文書が出てこなかった。まさに唐突にロボスクエア設置が決まったのである。

 疑問を解く鍵はロボスクエアが開設された場所にある。同施設は博多区下川端にある博多リバレインの中核施設「スーパーブランドシティ」(現・イニミニマニモ)の地下に開設された。2002年といえば、1999年の開業以来、苦戦を強いられていたスーパーブランドシティの運営会社「SBC(エスビーシー)」が破たんした年である。この前年頃からスーパーブランドシティでは撤退する企業が相次ぎ、床を埋める必要が生じていたのである。ある市OBが次のように回顧する。「当時、『エスビーシー』救済のためにもスーパーブランドシティの床を埋めることが急務だった。ロボカップ2002に便乗してロボット関連施設を作るというのは、安易ではあるがほかに手がなかったということ。会計処理などが杜撰だったのは、急ごしらえのままスタートした証拠」。

 ロボスクエアは、破たんした博多リバレイン・スーパーブランドシティの尻拭いから生まれたという側面を持つのである。杜撰な体制はスタートから続いていたことになる。

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