NET-IB NEWSネットアイ

ビーニュース

脱原発・新エネルギーの関連記事はこちら
純広告用VT
カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

行政

福岡県職員公金横領 問われる監査体制~問題職員に懲戒免職
行政
2010年5月11日 08:00

<3会計年度で発覚しなかった稚拙な手口>
 10日、福岡県議会・総務企画地域振興委員会で、福岡空港調査委員会(以下、空調委)における県職員の星野泰弘・元事務主査(43)による総額1,273万円におよぶ公金横領に関する報告が行なわれた。そのなかで、同主査は5月7日、横領額および遅延損害金を全額返済し、10日付けで懲戒免職となったことが報告された。また、横領が行なわれていた2007年度から09年度において、監督する立場である企画振興部空港局空港計画課参事(福岡空港調査委員会事務局次長)などの職に就いていた4人の県職員に対し、減給10分の1(1カ月)などの処分が下された。なお、横領した金額を返金したことにより、県は同主査を刑事告訴しない考えである。

 委員を務める県議会議員からは「信じられない」「なぜ、分からなかったのか?」などの声が上がった。横領の手口が、"空調委の口座から自分の口座へ振り込む"という単純なものであったからだ。横領は07年5月から10年3月までの約3年間に計67回行なわれた。その際、同主査は、物品購入決定、支払決定などの手続を一切行なっていなかったという。また、会計処理を任されていた星野元事務主査は、口座の振り込みに必要な暗証番号を知っており、パソコン上の操作で横領を繰り返したという。
 発覚したのは10年4月。人事異動で同主査と交代した後任者が、09年度の会計を点検し、領収書などの証拠書類がない使途不明の支出に気づいた。なお、横領の動機となったのは、自分自身で作った借金の返済である。

<退職した職員には責任の訴追なし>
 正式な支出手続もなされぬまま盗まれ続けた約1,300万円の公金。3年の会計年度をまたぎながら、気付かなかった杜撰な管理・監査の体制。再発防止のためには、そのチェック体制を見直す必要がある。県執行部は「職員に対する公金の取扱に関する指導・研修の徹底。県職員が出向している約150の任意団体における会計処理の総点検、第3者による監査体制の導入を早急に図る」との対策を述べた。

 過去何度も繰り返されてきた職員の不正に対し、指導・研修、会計処理の再点検だけでは、もはや再発防止はできないという声が上がっている。総務企画地域振興委員の原竹岩海県議(民主県政クラブ)は取材に対し、「自分たち(県庁側)で言った以上、外部監査制度を確実に導入させるべき」とコメントした。また、「今回、退職したことによって訴追を逃れた県職員OBは、悪い前例となるだろう」と今回の処置における問題点を指摘する。
福岡県庁.jpg それは、明らかに上司の監督責任が問われる内容にもかかわらず、同主査の元上司のなかに"退職しているため何ら責任を問われなかった人間"がいるからだ。

 急に「一身上の都合」で管理職の職員が辞職したら、不正経理の危険信号。そうなる日も近い。


*記事へのご意見はこちら

関連記事

powered by weblio


行政一覧
東日本大震災
2011年8月 3日 07:00
純広告VT
純広告VT

純広告用レクタングル


IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル