いまだ厳しい状況が続く建設業。ここに連なる専門工事業者(下請け業者)の単価は従来にも増して厳しくなっており、躯体にかかわる業種で特に著しい。
ある業者の社長は、「今の単価は、自分がこの業界に入った時と同じ額になっている」と話す。大卒初任給で比べてみると、1970年(約4万1,000円)と今(約21万円)の開きは40年間で約5倍。ここからも単価下落の凄まじさが見て取れよう。
また、同社長は「職人の生活を預かる以上、給料を下げるのには限界がある。今は会社の資産を食い潰しながらの経営だ」とも語る。しかし、零細企業が多くを占める業界であるため、それにも限界がある。
資金需要が増す今年の秋以降、職人の労賃が払えない業者が急激に増える可能性がある。
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら