福岡市の港湾局長には、「国際都市」の自覚も親切心もなかった。
福岡市の海の玄関口「博多港国際ターミナル」の入り口に、『一般車両 進入禁止!』の立て看板。送迎の車に対する案内がないばかりか、ターミナルを利用する韓国の乗客に対応するための「ハングル」による表示もない。不適切な実態について話を聞こうと1日、市港湾局の池田薫局長を訪ねた。
前日、市港湾局の担当課長を訪ね説明を求めたが、こうした事態は警察の責任がどうのとまったく要領を得ない話が返ってきたためだ。
池田局長は、開口一番「私も昨日の(取材の)話を聞き、国際ターミナルの現場に行ってきました。たしかに不親切です。案内看板の設置を指示しました(写真参照)」と言う。それはいいが、ハングルによる案内もすべきではないかという問いに対しては、なんと「そこまではやらない」という返事が返ってきた。池田局長は、こうした状況は5月の連休明けからであり、指摘を受け送迎客向けの看板は設置した、あと50日のことだからと強弁する。女性記者が「急ぐ場合は困りますよね」と言うと、語気を強めて「だから、どうしたということ」。この局長は国土交通省から出向されているそうだが、言葉は丁寧でも不遜。つまり小役人である。
重ねて韓国の方々のためには「ハングル」での表示が必要だと説得したが、聞く耳持たずといった態度だった。早く国交省に帰られることを望んで止まない。これでは博多港のイメージが悪くなるだけだ。
ちなみに、港湾局の国際ターミナルについての対応は「不適切だ」と指摘すると、「不親切」であって「不適切」ではないと言い張る。小役人が責任逃れをする場合の便法でしかない。「不適切」を認めると、役人人生の傷になるとでも思っているのだろう。
こうした実態について、民間の立場で韓国との友好関係を築いてきた「日韓親善協会」の幹部に話を聞いたところ、「韓国をバカにしているのではないか」という厳しいコメント。「隣国の客をもてなそうという姿勢がない証拠。ハングルでの案内が難しいわけでもないだろうし、多額の税金を投入するという話でもない。やる気がないということ」と突き放した。
たった1枚のハングル看板を拒否する港湾局長の姿は、福岡市の現状を映し出している。そういえば、吉田宏福岡市長は福岡~釜山を結んだ超広域経済圏の構築を目指していたはずだが・・・。
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