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特別取材

北九州銀行に対する考察 金融機関の公的使命の再考を(上)
特別取材
2010年6月 3日 16:38

<北九州市における銀行界の現状>

 北九州市は、政令指定都市でありながら、地方銀行の本店が存在しない地方都市である。現在、市内には指定金融機関である福岡銀行とみずほ銀行があるが、いずれも本店所在は同市ではない。最大のシェアを握る西日本シティ銀行にしても、福岡市に本店を置き、福岡都市圏を主力とする銀行で地元銀行とは言いがたい。過去において、第百三十国立銀行が八幡に存在したが、その後は経営不振から消滅している。戦後、同市には市中銀行の地域拠点は存在するものの、本店が存在しない状態が長く続いている。
 このような状況下、3月26日、(株)山口フィナンシャルグループが北九州市に本店を置く新銀行設立のための具体的な準備に着手することを決議した旨をプレス発表した。具体的な発表内容は、3頁目で掲げた通りである。

<北九州銀行に対する地元銀行の対応>

■福岡銀行
 (1)北九州代表(代表取締役副頭取)の新設
 (2)「新北九州ビル(仮称)」の建設

 新中期経営計画「ABCプラン」(2010年4月~2013年3月)の期間中に、現北九州営業部ビルを建て替え、「新北九州ビル(仮称)」を建設するもの。新ビルは、北九州地区における営業および本部機能の拠点として、さまざまなお客さまのニーズにお応えするための機能を備えたものとし、現ビルの2倍程度の規模を予定しているという。

■西日本シティ銀行
 「北九州地区本部」の「北九州総本部」への改称

 北九州・山口地区における取引先との関係を一層強化するために、「北九州地区本部」を「北九州総本部」に改称したうえで、「北九州・山口代表」の新設、執行役員配置などの営業強化策を実施。

■福岡県内4信金(福岡、飯塚、田川、遠賀)
 「連携・協力体勢の強化」で合意

 6月に包括的業務提携を締結。合併を想定したものではなく、「包括的業務提携への発展もあり得る」としている。連携・協力体勢の名称は「クローバーしんきんグループ」。10年3月末現在、4信金合算の預金量は約5,276億円、貸出金は約3,348億円。今後、10億円以上の大口案件も協調融資で対応可能になる。連携の背景には、郵貯の預入限度額引き上げ問題や山口フィナンシャルグループの「北九州銀行」設立などによる競争激化がある。

<地元金融機関の反応>

A行:相当なコスト高となる。支店のまま営業を充実させた方が断然安く、効果的。

B行:看板の掛け替えだけではシェアは伸びないだろう。個人向けに住宅ローンに注力するとなれば、金利競争を含め一段と競争は激化するだろう。

C信金:業態、顧客層が違うことからとくに意識はしておらず、体制に変化はない。

(つづく)

【柳 憲一郎】


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