3)健康食品を含有量だけで選ばない
健康食品の選び方は、自分の将来に関わる問題です。しかし食品表示(パッケージの情報)だけでは限界があります。そこで、その限界の原因を理解することが、対処方法への近道ではないかと考えました。原因を整理すると「A.一般の食品を想定した食品表示制度そのままを健康食品に適用している」「B.薬事法など実態に合っていない表示制度がある」ことと、「C.表示や分析結果では分からない商品特徴の差を目指すメーカーの考え」にあります。
A.まず、健康食品の表示の見方と、一般の食品の表示の見方は違うと認識しましょう。パッケージに書いていなければ、ホームページかお客様相談室などで確認してください。最初に確認することは、健康機能の元になる素材の由来と種類です。カルシウムを例にとると、「鉱物」由来の「炭酸」カルシウム、といった具合です。これが分からなければ、書籍などで調べ物をしても、その商品の健康機能について検討することは難しいでしょう。
B.次に、制度上の問題で書きたくても書けない事実(効能の実績など)があるかもしれない、ということを認識しておきましょう。確認することは、効果的な摂取方法のための工夫です。まず「いつ飲めばよいのか」ですが、これはお客様相談室等に聞けば答えてもらえると思います。次に相乗効果を調べるために、その商品に含まれる別の素材の名前と種類を確認し、書籍などで検証してみることをおすすめします。
C.前回(中)で隠し味のたとえ話をしましたが、健康食品でも同様に、成分含有量や配合割合(相乗効果の素材)まで、ある程度分かってしまいます。ここで秘密の差別化として、特殊な製法や、製造に使う水や油などを特殊なものに変更するなどの工夫をします。同じような商品を使っても、どこか違いを感じるのはこのあたりにも原因があると思います。つまり理屈だとかメカニズムはよく分からないけれども、実際に多くの人が食べてみて結果を感じている商品。ファンがたくさんいる商品がそうです。これはもう、自分に合うかどうか一度試してみるしかないと思います。
「単純に成分の含有量の多いものを選ばない」。これは、健康食品を見分ける上で大切なポイントだと感じています。特に健康食品では、パッケージなどの情報には限界があることと、その背景を考えることが、よりよい商品選びのヒントになるでしょう。
<プロフィール>
川合裕之(かわい ひろゆき)
香川大学卒業後、明星食品(株)に就職。営業職のかたわら、エリア向け商品の開発にも携わる。独立後、03年に(株)ラベルバンクを設立。食品表示の視点から安全性・機能性に関するコンサルティングを行なう。商品販売のためのプロモーションも手がける。
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