<北九州銀行設立に関するアンケート>
5月、弊社では主にI・B会員企業を対象にして「北九州銀行設立に関するアンケート」を実施した(有効回答数140)。前項(中)に引き続き、質問内容および結果については、以下の通り。
Q6:政府・金融機関に対するご意見やご苦言など
■政府・金融機関に対するご意見・ご苦言
・日本の経済を支えているのは中小企業が90%近いと聞いているので、中小企業のため、もっと積極的に考えてほしい
・地元で集めた資金は地元に融資してほしい
・お客さま目線でのサービスが少ない。もっと顧客と話をしていくべきだと感じる
・政府、金融ともに柔軟性がほしい
・北九州の本店行がなかったのでほしかった
・今まで言われていることだが、担保を保証人で貸すのではなく、事業の採算や将来性で融資してほしい
・まだ融資姿勢が堅い
・今までと何も変わっていない気がする
・政府は今誰が何を必要としているかが分かっていない。また、法律と実際の現場では解釈の仕方が違いすぎると思われる
・長期資金の積極支援があればよい
・支店の意向が本部に反映されない。本部主導の審査で、正確な情報による審査ができているか疑問
・現場中心に回帰してほしい。経済環境や業界全体の動向ばかりでなく、個々の会社をしっかり見てほしい。そうでないと、一流の銀行マンは育たない
・経営者、代表取締役の個人保証の廃止
・スピード
・経済の血液を循環させる心臓の役割を担っているという認識を今一度持ってもらい、業務を遂行してほしい
・企業を育てるという基本理念に立ってもらいたい
別に金融機関に期待はしていない
・赤字で資金不足なのだからお願いするのに、対応してくれない
・とくに政府系金融機関の金融円滑化法の対応が悪い。民間金融機関は積極的に対応している
・建設業のなかでも下請の中小・零細は大変厳しい。追加の施策が必要
・政策や金融庁に意見を唱える経営者(頭取)がいないように思える
・個々の企業内容を精査したうえでの援助をいただければ良い
・銀行の本質は何も変わっていない。担保の有無で融資を考えている
・リスケなどより、増枠を行なった方が効果的
・輸入販売の専門知識の高い金融機関が必要。輸入販売の専門知識の高いコンサルティングアドバイスが必要。デリバティブ商品の販売をやらない
・手数料収入で食っていくようではダメ!!本来の銀行業務で運営するように...
・生活様式や国際化、情報通信の発達により転業せねばならぬところが過去の借金のためできない場合が多い。これを政府が推進し活力を取り戻すべき。金融機関も埋もれた資源を発掘すべき
・地元企業への積極的な関わり
・金融機関は地元企業を育てる役割が大切。横にらみの融業姿勢や、相変わらぬ有担保主義から脱却すべし
・いずれ消費税も上げなければ、日本国もギリシャみたいになる。中小企業の立場から、早期に景気を良くすることだ
・中小企業に対する政府の認識の甘さ
<アンケートからの考察 設立に関する意見具申>
弊社が実施したアンケートによると、北九州銀行設立については「知っている」が81社で「いいえ」(58社)を上回っており、関心の高さが見られる。しかしながら、資金調達のパイプは広がるか、取引を検討するかについては、「いいえ」がいずれも「はい」を大きく上回っており、同行に対する期待は薄い。この要因は、金融機関の中小企業に対する融資スタンスへの不満の表れと見られる。
中小企業の多くは、資金調達に非常に苦労しているが、一方で金融機関の融資は金融庁の検査マニュアルによる対応をしており、決算書重視、担保偏重という弊害が大きく影響しているのが実態である。
とくに、地場金融機関は、北九州銀行新設に対抗して、組織改正、人材投入などを打ち出しているが、金融機関の公的使命を今一度再考する必要がある。
【柳 憲一郎】
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