菅・新政権の誕生は、今夏の参院選福岡選挙区にどのような影響を及ぼすだろうか。各候補予定者の動きと反応を取材した。
5日、みんなの党の佐藤正夫・福岡県議会議員(県議会では真政会所属)は、北九州市小倉北区で事務所開きの後、街頭演説を行なった。応援に駆けつけた古川忠・福岡県議会議員(真政会)は取材に対し、「内閣人事を引き延ばしているのは、土日のマスコミ報道を利用した人気回復の戦略」との見解を示した。一方、佐藤氏は「(みんなの党は)どこの政党がどうのこうのと批判する政党ではない」としたうえで、「新政権にはブレない姿勢を求める」と聴衆へ訴えた。なお、佐藤氏は15日に開かれる福岡県議会定例会において、真政会の代表質問(16分)を行なった後、県議会議員を辞職することを明らかにしている。
菅氏が次期首相となることを手放しで喜ぶのは、民主、社民の推薦を受けて無所属で立候補する予定の堤要氏だ。5日、堤氏は福岡市と北九州市で街宣活動を展開した。
取材に対し堤氏は「(菅氏は)市民運動の先輩として、昔から尊敬していました」とコメント。鳩山政権の支持率低下と社民党の連立離脱を受けて、無所属色を強めていく気配があったが、民主党寄りになるのだろうか。ただし、堤氏の事務所関係者によると、連立離脱後に社民党から「本腰を入れて応援する」との連絡があったという。
「選挙目当ての交代」と批判するのは、自民党の公認候補・大家敏志氏だ。取材に対し、大家氏は「すべてが票目当て。パフォーマンスばかりの大風呂敷政治を終わらせたい」との決意を語った。混戦が予想される選挙区の状況についても「県議に初当選したときも、16年間、自民党の議席が無いところから勝ち上がった。厳しいからこそチャンスを頂いたと思う。ぜひ、自分が勝ち上がっていく様を見て欲しい」と、強気のコメントを述べた。
一方、民主党の公認候補・大久保勉参議院議員は、国会のスケジュールの合間をぬって、東京と福岡を何度も往復、常にのぼりとハンドマイクを携帯し、ゲリラ的に街頭演説を実施、同時に支持団体へのあいさつ回りも欠かさない。6日、久留米市でマラソン遊説を実施するなど、独特のPR活動も行なっている。福岡選出の民主党国会議員からは「新政権による人気回復で、1議席(大久保氏)は確保できた」との声が上がっている。
このほか、同選挙区には、現職の国民新党・吉村剛太郎氏、共産党・篠田清氏、幸福実現党・吉富和枝氏らが立候補の意思を表明している。
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