先月、博多区で事務所を営む河北清士税理士らが、脱税容疑で福岡地検に逮捕された事件。福岡地検は、4日、所得税法違反(脱税)の罪で河北容疑者を福岡地裁に起訴した。自己が営む事務所の売り上げを1億5,000万円ほど過少に申告し、約5,200万円を脱税したという容疑だ。税の専門家である税理士の脱税行為は論外と言わざるを得ない。
ところで、税理士を取り巻く業界環境は厳しさを増している。税務署勤務者等の試験免除者による登録者が非常に多いことに加え、公認会計士試験の合格者増によってライバルである公認会計士人口が急増。税理士数に余剰感が出ている。また、パソコン上で動く会計ソフトの性能がアップし、比較的容易に税務申告が出来るようになったことも、税理士過剰の流れに拍車をかけつつある。なかには、税務処理を海外委託することで費用を1/20にまで下げるというサービスまであるという。
かかる流れを受けて、記帳代行と申告を軸とした従来型の税理士はもはや不要になりつつある。コンサルティング等を絡めた高度な税理士業務へのシフト無しには生き残れない時代が迫っているのだ。顧客からの「節税」相談などはその一つであろうが、自ら「脱税」で捕まるようでは顧客の信頼は得られまい。
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