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ビジネス人生決算シリーズ(5)~ゼオライト50年にして満開の花を 30年間は地獄の苦しみに直面した(前)
コダマの核心
2010年6月 8日 13:48

<水一筋に半世紀を尽くす>

ゼオライト 河本夫妻 『水博士』の異名を取るゼオライト(株)(本社・福岡市博多区那珂5丁目1-11)の河村恭輔会長(本人は1994年4月、工学博士号を取得)は、1934年8月25日生まれの75歳、8月で76歳になる。この人の人生は、まさしく「水一筋に半世紀を尽くした」と言えるだろう。ゼオライトの業績は、40期目7月期の売上が22億円と前年対比25%の増収を果たす勢いである。今から10年後の設立50年目に向けて、業績に満開の花を咲き誇らせるためにあらゆる策を講じている。
 ただ、近年のように業績に進展・勢いがついたのは、2000年を境にしてである。ゼオライトの創業は1969年11月、法人化は70年8月である。よって、2000年までの30年間は苦労の連続であった。河村会長に言わせれば、「ギブアップしそうな局面に遭遇したことは、幾多もあった。よくもまー、地獄の方向に転がらなかったものだ」となる。同氏を前にすると、30年間にわたる事業の産みの苦しみを経ながら「どうして、ビジネス人生決算を成功裡に導くことを可能にしたのか」という設問がかならず投げかけられる。
 それに対する名回答は決まって同じ、「河村会長が、水一筋に命をかけてきたからである」と明快に答えられるのだ。同氏は、お客のためには寝食を忘れて奉仕してきた。社員のためにも体を張って守ってきたのである。だが、河村会長の誠実さを逆手に取って、無理難題をふっかけるお客もいた。また、同氏の優しい人柄につけ込んで、裏切り行為におよんだ社員も続出した。それでも、「良い水創りで社会貢献」の一心で、直面した多くの危機を粉砕してきた。

<世の中悪人だらけ>

 80年代は、残念ながらまだ会社の信用がないときであった。こういう時代には、営業面では藁にもすがりたくなるときがある。「胡散臭い奴だ」と感じている相手でも、そいつが自慢げに「どこどこの会社のオーナーはよく知っている。仕事を世話してやろう」と吹聴すれば、仕事の仕込みがない時にはついつい「よろしくお願いします。なんとか仕事を回してください」と頭を下げてしまう。そうなると、ブローカーの思う壺にはまってしまう。気づいたときには会社が乗っ取られ、追い出される寸前のケースもあった。
 即戦力が欲しかった。そこで業界を渡り歩いてきた営業マンを採用した。たしかに仕事は取ってきたが、トラブルの起きる先ばかりであった。トドの詰まりは不良債権の発生で、資金切迫に陥ったことも数え切れない。河村会長(当時、社長)は騙されるたびに、歯を食いしばって悔しさに耐えた。本当に80年代は、本人にしてもゼオライトにしても、試練・難関の時期であった。
 流れが変わったのは、現社長・勝美さんと知り合い、恭輔・勝美両氏が二人三脚の経営を展開し始めてからである。お陰で90年に入って風向きが変わってきた。二人でスクラムを組んで、「良い会社を創ろう」を合言葉に経営の勉強を始めだしたのだ。

(つづく)


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