下の2枚の文書は、平成19年9月19日に人工島「アイランド花どんたく」会場で開催された「ヒューマノイドカップロボットバトル大会」の業務委託契約書である。
福岡市南区のイベント企画企業「フォルス」との契約件名は《会場設営業務委託》で、「古賀俊亘」との契約件名は《ステージ運営業務委託》となっている。
フォルスは、平成19年度に5回、20年度に1回の計6回、ロボスクエアが行っているロボット競技大会「ヒューマノイドカップ」の大会運営業務を請負った。しかし、福岡市の調査の結果、同社が実際には大会運営自体に関わらなかった上、運営経費を建て替えて担当職員に渡すだけの仕事しか行っておらず、余分な経費を受け取ったことまで分かっている。立派な詐欺行為である。
同社との虚偽の契約に関わっていたのは、ロボスクエアを巡る詐欺・贈収賄事件を引き起こし、逮捕・起訴されている元市職員・新川信一被告だ。
昨年春、福岡市側の調査結果を受けたロボスクエアの運営主体「ロボスクエア運営委員会」は、同社に対し、ディレクター代や企画管理費など存在しない経費の支払いを受けるなど不適切な契約を交わしていたとして返還請求したが、これまでフォルス側はまったく応じていなかった。
県警の捜査が広がりを見せる中、7日になってフォルス側が50,000円だけを返金してきたという。詐欺での立件を逃れるためと見られてもおかしくない。
(既報)
一方の契約書にある「古賀俊亘」とは、ロボスクエアの運営費に絡む詐欺事件で新川被告とともに逮捕・起訴された元「コガテック」代表である。この契約は、それまでよく使われていた「Kogatech」(コガテック)ではなく、個人名で行われていたことになる。
一見すると別の業務委託のように思われる2件の契約だが、これは明らかにおかしい。その内容について検証してみたい。
(つづく)
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