詐欺の摘発逃れとしか思えない事実が判明した。
7日、福岡市が運営費の大半を負担している体験型ロボット施設「ロボスクエア」の運営費を巡り、同施設を運営する「ロボスクエア運営委員会」と不正な契約を交わし、不必要な経費を受け取っていたイベント企画会社「フォルス」(登記簿上の本社は福岡市中央区)が、ロボスクエア運営委員会が返還請求した金額のうち、50,000円だけを同委員会側に支払ったことが判明した。事実上、同社側が不正を認めたことになる。
ロボスクエアの運営費を巡っては今年4月、元市職員・新川信一被告が、イベント業務の委託費を詐取した疑いで逮捕・起訴され、さらに今月3日、別の取引業者からリース契約の見返りにパソコン数台を受け取ったとして収賄の疑いで再逮捕されていた。
フォルス(昨年2月に新川被告らが懲戒処分を受けた際に市側が公表した資料では「A社」と記載)は、平成19年5月、同年7月、同年8月、平成20年1月、同年3月、同年4月に開催されたロボットによる競技大会「ヒューマノイドカップ」の運営についてロボスクエア運営委員会から業務を受注した。しかし、実際には大会運営に必要な経費(出場者の出演料や宿泊交通費、商品代)などを現金で準備して新川被告に渡すだけで、運営実務を行っていなかったことが市側の調査でわかっていた。
市側の調査結果を受けたロボスクエア運営委員会は、支払われた委託料の内、ディレクター代・5回分32万円と、企画管理費・5回分47万3,000円を、支払う必要がなかったとして新川被告とフォルスに返金を要求していた(平成20年4月分は支払いを保留していたため請求に含まれず)。
フォルスと新川被告の行為は公金詐取にほかならない。ロボスクエア事件が急展開する中、フォルス側が詐欺での摘発を逃れるため、返す意思があったとして、駆け込み的に一部を返金した可能性が否定できない。
福岡市の担当課によれば、フォルス側には昨年から返金を要求していたが、7日になって50,000円だけを返してきたという。分割での支払いとなるが、請求額については全額を支払うことを約束しているとしている。
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