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特別取材

都市未来ふくおか特別清算 福岡都市再開発の挑戦と蹉跌(1)
特別取材
2010年6月 8日 10:13

 今年6月、(株)都市未来ふくおかは会社を解散して8月にも特別清算を申請する方針を固めた。90億円弱という負債額から言えば、最近の福岡では大型倒産の部類に入るだろうが、それほど話題に上ることもなかった。というのも、すでに同社は「20世紀の遺物」で、もはやその役目を終えていたからだ。今振り返って見ると、同社の歩みはまさに福岡都市再開発の挑戦と蹉跌の歴史でもある。福岡の都市力とは-この問いに答える1つの材料として、同社の清算までの歴史を検証してみたい。
都市未来ふくおか
[COMPANY INFORMATION]

代 表:小田 哲也
所在地:福岡市中央区渡辺通2-9-31
設 立:1988年10月
資本金:138億5,000万円
年 商:(09/3)1億4,800万円

<なぜ今?天下り人事の噂>

 「こんな話がまことしやかに流れているのだが」-今回の事情を知る関係者A氏が、ある情報を当社に寄せた。「都市未来ふくおかで最後に代表を務めていた小田哲也氏が博多座の非常勤取締役に就くらしい。話によれば、すでに先日の定時取締役会で非公式に決まっており、6月下旬の株主総会で正式決定するという。もし本当ならバカげている。なぜなら、潰れた会社の代表責任者がこともあろうに即座に天下りするなんて、気の利いた民間企業では考えられないからだ」とA氏は憤る。

 しかも複数の証言によると、小田氏は代表清算人としてそのまま同社の整理に携わるという。同氏を知る関係者は「小田さんはいい人だし能力もある。たしかに都市未来ふくおかの仕事は大変だし、『最後を看取ってこい』と市から送り出された小田さんには同情する」としながらも、「代表責任をこれからとろうかというときにそのような話が出るのは、たしかに不謹慎だ。社員の今後の身の振り方がすべて決まっていればまだいいが、そうでなければやっかみも出てくるだろう」と語る。

 この話が事実ならば、市の人事判断に疑問を持たざるをえないが、まずはこれまでの経緯を少し振り返っておこう。
 
 同社は、福岡市が出資する第三セクターのデベロッパー。大型複合商業施設「博多リバレイン」のブランド専門店街運営会社(株)エスビーシー(SBC)の筆頭株主として、また渡辺通・春吉地区の土地所有者として福岡都市再開発を進めてきた。2010年6月現在の資本金138億5,000万円のうち、主要株主は九州電力、大成建設を筆頭に、九電工、大林組、熊谷組、福岡銀行、西日本シティ銀行など36社の民間企業で構成されている。市の出資金は2億5,000万円で、出資比率にしてわずか1.8%しかない。
 
 そういう意味では民間主体にも見える。ただ、設立当初は九電関係者が同社の社長を務めてきたものの、2000年以降は福岡市OBだけで務めている【表】。天下りの典型的な受け皿とも言えよう。

都市未来ふくおか表

(つづく)

【大根田 康介】


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