吉田福岡市政の無責任体質が改めて明らかとなった。
8日、定例会見に臨んだ吉田宏福岡市長は、記者からの質問に立ち往生。「知らなかった」として説明を役人に任せてしまった。
市長が知らなかったのは、体験型ロボット施設「ロボスクエア」の運営に絡み、昨年春から同施設の運営主体「ロボスクエア運営委員会」が返還を求めていた不正支出の一部が返金された件である。福岡市のイベント企画会社「フォルス」が、不正に受け取った業務委託費35万6,370円のうち5万円だけを、7日に運営委員会側に届けていた。
なお、データマックスは本日(8日)朝に返金の事実を報じている。
吉田福岡市長は、ロボスクエアを所管し運営委員会の事務局として事実上の実務を取り仕切る市経済振興局が、昨年から返金請求を繰り返し、約1年後になってやっと一部だけが返金されたというすべての経過を知らされていなかったようだ。つまり、所管局から市長へ、何の報告も上がっていなかったことになる。
ロボスクエアを巡っては今年2月、運営費を騙し取ったとして元市職員・新川信一被告らが逮捕・起訴され、今月にはさらにリース契約に絡む贈収賄事件に発展。福岡市役所は、2度にわたって家宅捜索を受けていた。
公費支出に対する市側の杜撰な管理体制が指摘されるなか、詐取された公金の行方について市長が「知らなかった」では済まされない。
ロボスクエア運営委員会の会長には、昨年の不祥事発覚後に高田洋征副市長が就任しており、事の経過は把握していたはずだ。公金不正という事案の重大性からみて、市長に報告するのは当然である。しかし吉田市長は、返金の事実だけでなく、昨年からの経過も知らなかったとしており、所管局だけでなく、報告を怠った高田副市長の責任も問われよう。
ロボスクエアの不正経理問題が贈収賄事件にまで発展していながら、報告をしない職員、経過を聞こうともしなかった市長・・・。無責任体質に泣かされるのは税金を払っている市民である。
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